親を大切にしたい。でも、自分の人生まで差し出さなくていい

小山千夏

小山千夏

テーマ:あなたはあなたの人生を生きてもいい

介護の相談を受けていると、

「私がもう少し頑張ればいいんです」

という言葉をよく耳にします。

仕事を減らす。
自分の予定をキャンセルする。
旅行を諦める。
友人との約束を断る。
自分の体調が悪くても、親を優先する。

そうして少しずつ、自分の生活が小さくなっていきます。
けれど、多くの方はそれを「仕方がない」と思っています。

親の介護なのだから。
家族なのだから。
今まで育ててもらったのだから。

でも私は、いつも思うのです。

親を大切にすることと、自分を後回しにし続けることは、同じではありません。
「良い娘」でいようとするほど、苦しくなることがある

特に、責任感の強い方ほど、介護を一人で背負いやすい傾向があります。

「私がやらなきゃ」

「兄弟には頼めない」

「親が私を頼っているから」

そして、自分が限界に近づいていても、なかなか助けを求められません。

周囲からは、
「よくやっているね」
と言われる。

でも本人は、
「まだ足りない」
と思っている。

この状態が続くと、介護そのものだけでなく、親との関係まで苦しくなってしまいます。
介護に必要なのは「頑張ること」だけではありません

介護というと、
「どこまで家族がやるか」
という話になりがちです。

でも本当に大切なのは、
「どうすれば家族みんなが無理なく続けられるか」
です。

訪問介護を使う。
デイサービスを利用する。
ショートステイを使う。
老人ホームという選択肢を考える。

家族以外の人に任せられることは、たくさんあります。

それでも、
「他人に任せるのは申し訳ない」
と思う方もいます。

けれど、介護職や看護職は、そのための専門職です。
家族がすべてを抱える必要はありません。

老人ホームを考えることは、親を見捨てることではない

施設探しの相談で最も多い気持ちの一つが、
「施設に入れるのは、かわいそうではないでしょうか」
という罪悪感です。

でも、老人ホームには24時間スタッフがいる施設もあります。
食事、入浴、排泄、服薬管理、医療との連携など、自宅では家族だけで支えることが難しいことを、専門職が支えてくれます。

その結果、ご家族は「介護をする人」から、「会いに行く家族」へ戻ることができます。

面会に行って、
一緒にお茶を飲む。
昔の話をする。
季節の花を見に行く。

そんな時間も、立派な親孝行ではないでしょうか?

親の人生も、自分の人生も大切にする

介護は、いつ終わるか分からないこともあります。

だからこそ、
「今だけ我慢すればいい」
という考え方だけでは続きません。

半年かもしれない。
3年かもしれない。
10年続くかもしれない。

その間、自分の人生をすべて止めてしまったら、介護が終わったときに、
「私の人生は何だったんだろう」
と感じてしまう人もいます。

私は、そんな方を増やしたくありません。

親を大切にする。
家族を大切にする。
そして、自分も大切にする。

どれか一つを犠牲にするのではなく、できるだけ全部を守る方法を探す。

それが、これからの介護には必要なのではないでしょうか?

家族を大切にすることと、自分を犠牲にすることは違います。
あなたの人生も、同じように大切です。

「まだ施設を決める段階ではないけれど、このまま自宅介護を続けられるか不安」

「親は自宅に帰りたいと言っているけれど、家族だけでは介護できない」

「施設を考えることに罪悪感がある」

そんなときこそ、まず第三者である私たちへ話してみてください。

老人ホームを探すことだけが相談ではありません。
ご本人の希望、ご家族の思い、介護力、費用、医療面などを一緒に整理しながら、これからの選択肢を考えていきます。

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Mybestpro Members

小山千夏
専門家

小山千夏(介護・老人ホームの相談窓口)

株式会社リトリートメント

老人ホーム専門の紹介コーディネーターとして迅速に対応。施設を決めることだけを目的にせず、家族の気持ちに寄り添い、介護を人に任せる「罪悪感」を減らし、自分自身の人生を生きるための支援を行います。

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