麻痺を克服し本来の機能と人生を取り戻すリハビリの専門家
澤田祐希
Mybestpro Interview
麻痺を克服し本来の機能と人生を取り戻すリハビリの専門家
澤田祐希
#chapter1
「脳や脊椎が損傷した後遺症により体の一部が麻痺(まひ)して思うように動かせない状態でも、手足そのものが失われていない限り、適切な手法によって十分に時間をかければ、回復の道はあります」
そう語るのは、理学療法士の澤田祐希さん。相武台前駅から徒歩約4分の場所で「片麻痺専門整体院ひろさわ」と「麻痺専門リハビリ整体ジム プラスアルファ」の看板を掲げ、医療・介護保険の制限にとらわれない整体の分野でケアサービスを提供しています。
共同代表で、同じく理学療法士の廣田聖さんと、整体と運動をメインに複数の施術を組み合わせた独自のプログラムを構築。利用者のコンディションや要望に添ってメニューを作成し、最大で3時間かけてリハビリなどを行います。
「当方には施術用ベッドのほか、運動機能の維持・向上を促す各種フィジカルトレーニング機器や、末梢血管まで酸素を送る酸素カプセルを備えています。周囲に気兼ねすることがないよう、完全予約制でプライベート環境を確保し、夜間も受け付けます。駅までの送迎や、県内外への出張訪問にも対応いたします」
現代医療に加えて東洋医学の考え方にも深い見識を持ち、近代の科学的根拠に基づいた手法や、現代では見過ごされがちな古来からの伝統的な手法などを取り入れ、常に検証。澤田さん廣田さん共に、運動麻痺はもちろん、それ以外の慢性的な痛みや感覚障害などに苦しむ利用者の状況を把握し、連携して的確なアプローチを実践しています。
「当方では、障害のある体で無難に生活をこなすことを目標にはしていません。あくまで麻痺そのものに働きかけ、本来の機能と人生を取り戻すことを目的にしています」と声をそろえます。
#chapter2
澤田さんは学生時代、青春をかけて打ち込んだ野球をケガで断念。同じく廣田さんもバスケットボールの練習中のケガにより、最もやりたいことを諦めざるを得ませんでした。
「そこから『アクシデントに見舞われても、元の状態に戻せるスキルを備えた専門家になろう』と決意した経緯まで、あまりに似通っていて驚きましたね」と澤田さん。
同じ経験を持つ2人が出会い、意気投合したのは、ある勉強会がきっかけです。作業療法士や言語聴覚士、鍼灸師、マッサージ師などが全国から集い、職種を超えて各分野の現状や新しい情報の共有、意見交換を行うというもの。異なる立場から課題解決の糸口を探ろうとする未来志向のメンバーの中でも、ひときわ高いプロ意識を持つ人物として、互いに一目置く対象だったそうです。
おのおの10年以上にわたり医療や整体、介護の現場で経験を積み、自らの職務の可能性を求めて探究を続けていた頃でもありました。
個々に向き合い、機能回復を行うという使命やモチベーションも、制度の枠組みの中では、現実離れした幻想でしかないようにも思われ、ジレンマに陥りかけていた2人。やがて一つの野望を見いだします。
「医療の枠にとらわれず、“麻痺は克服できる”を当たり前にする」を理念に独立開業。医薬品や食育に関する知識や、整体とフィジカル系の代替トレーニングなどを融合させることで、ヘルスケアや医療の世界を変革すべく、イノベーションを夢物語で終わらせない挑戦をスタートさせます。
#chapter3
「リハビリによってある程度回復しても、以前のように自然に動けないことに違和感やストレスを抱く方もおられます。できないことを“できる”にするのが私たちのプログラムの特徴と言えるでしょう」と澤田さん。
「例えば『車を運転する』『孫と遊具で遊ぶ』を“できる”に、あるいは『つえをついても歩ければいい』ではなく『おしゃれをして出掛ける』へ。一人一人が目指すステージまで、私たちがアシストします」
澤田さんたちの元には、日常生活もままならない後遺症を抱えた人から、社会復帰をしているものの「原因がはっきりしない痛みがある」「視床痛やけい縮(こわばり)がある」「感覚がおかしい」といった人も訪れます。
「家族の手を煩わせることなく、自立した生活を送りたい」という願いをかなえるため、院内外で研究会を精力的に開催するなど、知識の幅を広げる努力を惜しみません。
「興味を覚えると深堀りせずにいられない」と言う澤田さん。食への関心も高く、廣田さんとともに、天然塩や水にこだわった製法のみそづくりや手打ちうどんにトライするなど、プライベートでも妥協のない姿勢は変わりないようです。
澤田さんを、「感覚的なひらめきや行動力に優れたタイプ」と評価する廣田さん。一方の廣田さんは、利用者から“サムライ”と称されるほど、冷静沈着に理論を積み重ねて、確実な方法を導き出し実行する職人気質な人柄だそう。
それぞれの強みを生かしながら成果につながるケアサービスに取り組み、「ご本人の頑張りに寄り添い、期待に応えたい」と力を込めます。
(取材年月:2024年1月)
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Profile
麻痺を克服し本来の機能と人生を取り戻すリハビリの専門家
澤田祐希プロ
整体師
片麻痺専門整体院ひろさわ
2017年から“麻痺は克服できるもの”という考えで従来型リハビリの常識にとらわれず挑戦をしてきました。今は成果が積み重なり確信に変わりました。医療の枠に捉われず独自のリハビリプログラムを提供中。
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