「平成29(2017)年度・灘中二日目・大問三・詩」の解説
みなさん、こんにちは。
国語専門オンライン学習塾 啓理学舎の篠田です。
今回は、「令和3(2021)年度・灘中二日目・大問三・詩」の解説をさせていただきます。
題名は「駅伝」(村田好章)です。
【問1】
(解説)
線部1の後の2連1行目〜5行目に注目します。
そこには、作者自身が若い頃、作者の父親と外で出会うと、目を合わさずにすれちがっていたことが書かれています。
この設問の解答は、作者が父親となり、大学生のむすこに同じことをされたと考えられるため、答えは下記となります。
(模解)
ウ
【問2】
(解説)
この設問が「どのような気持ちですか」となっているので、
答え方は「〜という気持ち」または「〜と感じている」となります。
線部2の中で「氷で火傷したような」(2連6行目)という表現があります。
これは、比喩的表現であり、パラドックス(逆説的表現)です。
「熱いもので火傷」が常識なのに、「冷たいもので火傷」という逆説的な組み合わせで印象を強くしていると考えらます。
次に、線部2の気持ちを一言で表すと「恥ずかしい」となります。
また、2連3行目に「父と外で出会うと」と書かれているので、「父と外で会うと恥ずかしい」と考えられます。
このあたりでまとめると下記になります。
(解答例)2行40字程度
家ではとくに意識していないが、父と外で会うととても恥ずかしく感じる。(34字)
【問3】
(解説)
この設問は「どういうことを言っているのですか、答えなさい」です。
これは、線部3の「見送る」と線部4の「見送られる」という表現を抽象的に言いかえなさい、という問題になります。
3連1行目〜3行目には、作者の今までの人生が簡潔にまとめられています。
そしてその後に線部3「見送る」と書かれていることから、作者の親が亡くなることを表現しているものと考えられます。
また、線部4「見送られる」と書かれていることから、作者自身が亡くなることを示していると考えらます。
よって、解答は以下となります。
(解答例)それぞれ20字程度
線部3:作者の父親が亡くなること。(13字)
線部4:作者自身が亡くなること。(12字)
【問4】
(解説)
線部5の後に「輝いてみえるむすこの背中で」(4連2行目)という表現があります。
この設問は、むすこの背中が輝いている理由は、「夕陽のせい」のほかに何がありますか、ということを問いています。
この設問の答え方は、理由を問われているため、「〜ため」です。
「むすこ」は現在、大学生でまだ若いため、すばらしい未来がまっていると考えられます。
つまり、むすこの背中が輝いているのは、「夕陽のせい」と「明るい未来がまっている」からです。
このことをまとめると下記のようになります。
(解答例)1.5行30字程度
若いむすこが明るい人生を送ってくれるだろうと感じたから。(28字)
【問5】
(解説)
この設問は「どういうことを言っているのですか」となっています。
つまり、線部6を抽象的に言いかえなさいという問題です。
この詩の題名は「駅伝」です。
また、線部6には「タスキ」という言葉もあります。
このことから、作者の父から作者へ、作者からむすこへ「タスキ」がわたっていくことだと理解できます。
父からむすこへ、引き継がれていくと考えられます。
では、父親から子へ何が引き継がれるのでしょうか?
ここでは、「命」と考えられます。
このあたりをまとめると下記になります。
(解答例)3行60字程度
作者の父から作者へ引きつがれたものが、むすこへ引きつがれ、命がつながっているということ。(44字)
どうだったでしょうか?
頑張っていきましょう!



