聴力測定は何種類のものを実施しましたか?
ある高齢者のグループ(活動的な元気な高齢者)について、彼らの聴力測定を実施したところ、そのうちの約4割に難聴が確認できたそうです。
彼らは難聴の自覚はなく、自身の聞こえには何ら問題ないと回答していた方々。
おそらくは上の図に示したような、30~40dB程度の軽度難聴が多く見られたのではないかと推察します。
ちなみに、小中学生など学齢期以下の子供であればこの聴力は補聴器助成の対象となる聴力です。
なぜなら学業に影響を及ぼしかねないと判断されているからに他なりません。
では、高齢者ならこの程度は当たり前だから放置して良いのでしょうか?
難聴を放置することは様々な弊害をもたらします。
昨今、難聴と認知症の関連が話題に上がることが多くなってきました。
こちらは耳鼻咽喉科学会の記事の紹介です。
難聴は認知症の最大の原因になる?
こちらは世界的に有名な医学雑誌、ランセットで発表された「予防可能な認知症の危険因子」
中年期での難聴が9%となっており、予防可能な危険因子としては最大要因となっています。
また、高齢期における社会的孤立や抑うつなども大きな要因となっていますが、これらはそもそも難聴がもたらす二次的な現象と考えることもできますね。
軽度の低下から難聴に対処することで、後の人生のQOL(生活の質)は大きく向上するのではないでしょうか。
自分は大丈夫と思っている方々、65歳以上では軽度難聴になっている方が大幅に増加してきます。
自覚のないまま進行し、自覚するころには中等度難聴まで進行しているケースが殆ど。
難聴が進行するほど、補聴器への適応は困難になってきます。
早い段階からの補聴器装用が望ましいですね。