通信販売の補聴器、集音器はなぜダメなのか?
補聴器メーカーによる団体、「日本補聴器工業会」が調べたデータによると現在国内の補聴器販売店は7,600程度あると言われています。
補聴器は様々な場所で売られています。
皆様が街中で一番よく目にするのはメガネ店でしょうか?
日本全国にチェーン展開しているメガネ店では、ほとんどの店で補聴器も扱っていて、店頭に「補聴器」というのぼり旗が立っているのを目にした方も多いでしょう。
次に、補聴器だけを扱う補聴器専門店、さらには電気店、農協などを巡回している訪問販売業者、通信販売など。
専門店だから安心、メガネ店ではダメ・・・・というのは少々気が早いです。必ずしも当てはまりません。
本当に信頼できる補聴器店はどうやって見分けるのか?
公益財団法人 テクノエイド協会 という団体があります。
メーカー団体である補聴器工業会や、販売店の団体である補聴器販売店協会、聴覚を専門に扱う医師による聴覚医学会などの団体と連携し、日本国内の補聴器販売の適正化を図っている団体です。
このテクノエイド協会が監理している補聴器の資格として、「認定補聴器技能者」なるものが存在します。
この認定補聴器技能者になるためには、4年間既定の講義を受けて試験に合格し、さらには耳鼻咽喉科 補聴器相談医の承認印を頂かなければなりません。
この認定補聴器技能者は、2019年1月現在 全国でおよそ4,000人程度。
さきほど国内の補聴器販売店は7,600店ほどと言いました。
それに対して、この認定補聴器技能者は4,000名ほど・・・およそ半数程度しかいないことになります。
そうなると、各店1名づつ配置しても、大幅に足りないですね。
実際には1店舗に複数名いたり、販売店ではなくメーカーに在籍していたりするわけですから、この資格者がいない販売店が過半数というのが実態です。
こちらが認定補聴器技能者証です。
有効期限があり、その期限内でさらに既定の講習を受け、再度医師の承認印も受けないと更新していけません。
このように基本的な知識を日々勉強し、基礎知識があることが担保されている者から購入した方が、より安心できると思いませんか?
では、認定技能者はどこにいるの?
きちんとした資格のある人は、一体どこの店にいるのか?
一般の方々からは判断できませんね。
いちいち資格証を見せろと言うのも、ちょっと躊躇しますよね。
そこで間違いの少ない販売店選びの基準となるのが、「認定補聴器専門店」と呼ばれる店です。
このようなロゴマークを掲げています。
この認定補聴器専門店は、さきほどのテクノエイド協会が「各店舗」ごとに与える称号です。
全国展開するチェーン店であっても、各店舗ごとに審査を受けなければなりません。
その基準とは、
・必ず認定補聴器技能者が常駐していなければならない
・調整に必要な基準を満たした測定機器や測定室がある
・補聴器の効果測定の設備が整っている・・※効果測定とは補聴器をつけた時はずした時の聞こえの違いを測定することを言います
等々、他にもたくさんの基準をクリアし、実地での審査を経た店が「認定補聴器専門店」です。
この認定補聴器専門店であれば、必ず資格者が在籍し、様々な設備も整っています。
この「認定補聴器専門店」は、2019年1月現在全国で772店、神奈川県内では30店しかありません。
補聴器販売店はそこらじゅうに溢れていますが、その実態は資格者のいない店ばかりなのです。
補聴器は管理医療機器であり、その調整は多くの知識と技術を必要とします。
家電製品を買うのとは訳が違いますので、最低限の知識・技術の保証がされた店で相談してほしいと思います。