知財(特許)をマーケティング/新規事業創出に利用する その4 未来を予測して競争力を高める

藤井隆満

藤井隆満

テーマ:新規事業創出

今回は、特許分析を通じて将来の商品開発を先取りする方法について解説します。

1. 特許に着目する理由とは
2. 事例:Appleの顔認証技術

1. 特許に着目する理由とは
特許は新しい技術やアイデアを保護するために申請されますが、その内容は同時に公開されます。要するに、特許を読むことで、将来どのような商品が開発される可能性があるかが見えてきます。しかし、特許は専門的な用語や図表で記載されているため、一般の方にとっては理解が難しいことがあります。したがって、特許分析のスキルを身につけることで、競合他社や市場動向に先んじて、自社の商品開発に役立てることができるのです。具体的には、最新の特許を解読することで未来の技術動向を予測できます。



2. 事例:Appleの顔認証技術

事例として、Appleの顔認証技術に関する特許を見てみましょう。これは筆者の独自の見解であることをご理解ください。

この特許は2009年に公開され、商品化は2017年に実現しました。その間、研究開発が行われていました(下図)。携帯電話メーカーであれば、Appleの特許に依存せず、競合力を維持するための技術を開発することも考えられるでしょう。しかし、他の企業にとっては、顔認証技術がスマートフォンに組み込まれることを前提に、新しいサービスや技術の開発を検討する重要な機会と言えます。






この特許を読んだ企業は、以下のような問いかけを行うかもしれません。

顔認証技術がスマートフォンに組み込まれた場合、社会はどのように変わるか?
顔認証を活用した便益のあるサービスは何か?
これらの要素を組み合わせて新しいプロダクトやサービスを提供できないだろうか?


このような視点から、自社の商品企画を練ることができます。そして、商品が市場に導入される際には、他社に比べて圧倒的な競争優位性を持つことでしょう。このように特許を読むことで、新しいビジネスのアイデアを発見することが可能です。未来を予測するというのはワクワクしますよ!

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藤井隆満
専門家

藤井隆満(技術士)

藤井技術士事務所

大手メーカーなどで技術者として研究開発に従事し、新規事業創出の豊富な経験を誇ります。企業の強みをひも解き、R&Dテーマ選定から研究開発、製品化までサポートします。半導体や化学、素材分野などで実績あり。

藤井隆満プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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