知財(特許)をマーケティング/新規事業創出に利用する その2 営業への利用
若かりし頃、私が関わったタッチパネルの開発プロジェクトは、研究開発の領域での挑戦の一例と言えます。このプロジェクトは、新しい技術の市場導入に際し、技術の優位性だけではなく、市場のニーズとタイミングの理解がいかに重要であるかを教えてくれました。
市場ニーズとタイミングの見極め
2000年頃に始まったこのプロジェクトでは、独自のタッチパネル技術をベースにした製品の開発を試みました。技術的には順調に進展し、やがてプロトタイプが完成しました。しかしながら、市場の動向を見極めきれず、最終的にプロジェクトは中止という形になりました。確かに、その当時の市場はまだ小さく、PDA(電子手帳)への適用が中心でした。しかし、その後タッチパネルの需要は急速に伸び、私たちの開発した技術にも大きな可能性があったことが後に明らかになりました。今日では、タッチパネルはスマートフォンなど多くのデバイスに欠かせない存在となっています。
部門間の連携の大切さ
この経験から学んだのは、研究開発部門と事業部門の間の連携の大切さです。製品開発においては、技術だけでなく市場のニーズや傾向を理解し、それを反映させることが重要です。私たちのプロジェクトは、部門間のコミュニケーション不足が影響して中止に至りましたが、これは学びの一つです。当時の市場が小さかったとはいえ、新しい市場を探るための努力が必要だったのかもしれません。
技術と市場のバランス
技術開発は市場のニーズに合わせて柔軟に進めるべきです。このプロジェクトでは、技術者が市場を深く理解し、営業と連携して製品開発を進めることの大切さが見えてきます。技術革新の成功は技術力だけでなく、市場への適応にも依存しています。当時の私にアドバイスできるなら、もっと積極的に市場にアプローチすることを勧めます。
このプロジェクトからは、研究開発チームにとって貴重な学びがありました。失敗もまた、将来への成功への一歩となり得るのです。この経験は、市場のニーズを敏感に捉え、素早く対応すること、そしてチームワークとコミュニケーションの重要性を教えてくれました。
セミナー/コンサルティングではいかに未来を想像するか、市場を読んで考えるかということを練習します。その上で新規事業のテーマを考えます。興味があればご連絡ください。