市場変化と企業内課題: 大企業が直面した技術開発プロジェクト失敗の教訓
1.強み分析の大切さ
セミナーにて、技術の棚卸しに関して、事例を含めて講演をしています。大企業においても意外と強み分析ができていないようで、課題として認識されていたようです。実際に、企業で行う強み分析は企画部門など技術の現場から離れたメンバーで行われることが多く、実際の技術の現場と乖離があるようです。中小企業では強みの分析が行えていないところが多いように思います。新規事業を考える際には、強みを足がかりにする必要があるため、しっかりと分析することが重要かと思います。
2.強み分析は特許、商品、そして人
一般的には強み分析は、
①自社の特許の分析
②自社の商品や製造工程からの強み
③社員の保有する強み
から考えます。
一般的に強み分析は自社の特許を分析しそれによって得られている利益の源泉となる技術を強みとします。中小企業の場合は、特許自体が少なく、そこから強みの分析が難しい場合が多いです。その際には、②の観点で考えることをお勧めいたします。商品や製造工程、更には顧客、バリューチェーンなど多面的に見ていくと意外と強みがあるものです。さらに、新規事業を推進するのは現場のメンバーになるのですが、そのメンバーがもつ強み(得意分野)でも良いと思っています。推進者のモチベーションも重要な要素だと思います。
3. 事例
これまでいくつかの企業の新規事業創出のアドバイザーをやっているのですが、大企業でも現場視点での強み分析ができていない場合が多く、新たに分析した強みから、新事業のテーマUPされることがあります。また、技術を扱う商社さんのコンサルティングでは、業界の強みと営業の強みから新たな商品の提案につながっています。私のような出身母体の異なる外部の人間と議論することで、意外な強みが見えてくるものです。従来とは異なる分野でも強みが生かせる分野であれば検討する価値があります(富士フイルムだと銀塩写真→化粧品)。異分野との連携などはオープンイノベーションの考え方でWin-Winになるようにフォローしながらコンサルティングをやっています。場合によっては連携が決まるまでは企業名を伏せて私の名前でコンタクトを取って話を進めることもあります。
一度、相談してみませんか?
技術士は厳しい秘密保持義務がございますので、安心してご連絡いただければと思います。
takamichi あっと fujii-tech.com (あっとを@にしてください)