50代の平均貯蓄額はいくら?老後資金の準備方法も解説【2023年最新版】
60代は、一般的に定年退職を迎えて老後生活が始まる年代です。多くの方が給与収入から年金収入へと移行し、世帯収入は低下します。
では、60代の方は老後生活に備えていくらほど貯蓄をしているのでしょうか?今回は、60代の平均貯蓄額や生活費の平均をご紹介します。
60代の金融資産保有状況
※出典:金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査」令和4年(2022年)
60代の金融資産保有割合は、預貯金の97.6%が最多で、次いで積立型保険商品35.1%、株式33.0%となっています。
60代は、老後の生活資金や病気・災害等への備え、子孫へ遺産を残す事を目的とした、金融資産保有に移行していることがうかがえます。 株式や債券の保有率が20~50代と比較すると高まっている事がわかります。
60代の平均貯蓄額
厚生労働省の調査によると、60代の平均貯蓄額は一世帯当たり1461.7万円です。50代の平均貯蓄額が1,075.4万円、70歳以上は1,233.5万円を上回り、60代の平均貯蓄額がもっとも高い結果となりました。
また、60代の平均借入額は213.6万円であり、40代の1,002.7万円、50代の546.8万円と比較して大幅に減少しています。※厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」
60代の貯蓄額の中央値
中央値とは、データを小さい順に並べたとき、おおよそ真ん中に位置する値のことです。
平均値は、一部の極端な数値の影響を受けることで実態と乖離することがあります。そこでより実態に近い数値を把握したいときは、中央値の確認が有効であるといわれています。
金融中央広報委員会の調査によると、60歳代が保有する金融資産保有額の中央値は以下の通りです。
- 二人以上世帯:875万円
- 単身世帯:300万円
※出典:金融中央広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和2年)」二人世帯以上 単身世帯
調査結果をみると、家族構成にかかわらず金融資産保有額が1,000万円以内である世帯が多いようです。また、二人以上世帯が保有する金融資産保有額は単身世帯の約3倍です。
60歳代以降の家計の収支
次に、60歳代におけるひと月あたりの支出や収入をみていきましょう。総務省の調査によると、2019年の高齢無職世帯の家計収支は以下の通りです。
高齢夫婦無職世帯 | 高齢単身無職世帯 | |
---|---|---|
可処分所得 | 206,678円 | 112,649円 |
消費支出 | 239,947円 | 139,739円 |
不足分 | 33,269円 | 27,090円 |
※出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)」
※高齢夫婦無職世帯とは、夫65歳以上、妻60歳以上である世帯
※高齢単身無職世帯とは、60歳以上の無職世帯
上記の結果には、70代以降のデータも含まれていますが、老後生活の平均支出から平均収入を差し引くと3万円前後の赤字が発生していることがわかります。
一方で新型コロナウイルス感染症の影響下にあった2020年度の調査をみると、夫婦高齢者無職世帯は1,111円の黒字、高齢単身世帯は7,523円の赤字でした。※出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」
老後生活における家計の収支は、世帯によって大きく異なります。老後資金を準備するときは、老後生活を迎えたあとご自身の世帯における支出と収入が、それぞれいくらになるのかを計算することが大切です。
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