40代の平均貯蓄額はいくら?貯蓄の必要性についても解説
50代になると、一般的に子育てが落ち着いて退職が近づくため、老後生活を強く意識し始める方は少なくありません。
そのため「このままの貯蓄で老後生活は大丈夫なのだろうか」「同世代の人はどれだけ貯蓄をしているのだろうか」と気になる方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、50代の平均貯蓄額や老後資金の準備方法などを解説します。
50代の金融資産保有状況
※出典:金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査」令和4年(2022年)
50代の金融資産保有割合は、預貯金の95.8%が最多で、次いで積立型保険商品34.2%、個人年金保険・株式が同率28.6%となっています。
50代は子育ても落ち着いてくる方が増え、老後の生活資金や病気・災害等への備えを目的とした、金融資産保有に移行したと考えられます。
50代の平均貯蓄額はいくら?
※出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
50代の平均貯蓄額や平均借入額を、厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」をもとに解説していきます。
まず50代の平均貯蓄額は、1,075.4万円という結果でした。 20代の平均貯蓄額は179.8 万円、30代は530.0万円、40代は650.9万円ですので、50代はほかの年代と比較して平均貯蓄額が非常に多いことがわかります。
次に50代の平均借入額は、546.8万円です。 30代と40代の平均借入額は、どちらも1,000万円を超えていました。30代と40代の借入額が多い理由は、住宅ローンであると考えられるため、50代は住宅ローンの返済がある程度進んでいると推察できます。
50代の貯蓄額の中央値
調査によると50代の平均貯蓄額は、1,000万円を超えていますが「1,000万円も貯金はない」と感じた方は多いのではないでしょうか。
平均値は、一部の極端な数値が結果に大きく影響することがあります。例えば、貯蓄額が1億円以上ある人が集計に含まれていた場合、平均貯蓄額は大きく増えてしまいます。
そこで貯蓄額の中央値を確認して、実態を考察してみましょう。中央値とは、データを小さい順に並べたとき、真ん中に位置する数値です。
国民生活基礎調査の概況のデータをみてみると、700万〜1,000万円のあいだに中央値があると考えられます。
また金融広報中央委員の調査によると、50代の金融資産保有額の中央値は、二人以上世帯が800万円である一方、単身世帯は30万円でした。世帯の構成によって、貯蓄額は大きく変わるようです。※出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」単身世帯 2人以上世帯
50代が貯蓄をする目的
金融広報中央委員の調査によると、50代の方に金融資産の保有目的をたずねたところ「老後の生活費」と回答した割合が70.0%ともっとも多い結果となりました。次いで多かったのが、子どもの教育資金の29.4%です。※出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」18 金融資産の保有目的(金融資産保有世帯) ※アンケートは複数回答可
40代に同じ質問をしたところ、子どもの教育資金と回答した人が66.4%ともっとも多く、老後の生活資金の61.6%が、それに次いで多い結果となりました。
50代になると、子どもが独立をすることで心配ごとが1つ減る一方、自身や配偶者の老後生活が心配になってくるものです。教育費を捻出するのに精一杯であった方は、子どもが独立したあと老後資金を本格的に準備する必要があるでしょう。
続きを見てみる → 老後資金はいくら貯めたら良い?