~1分でわかるお金術~
30代は、20代と比較して年収が増えている傾向にあります。また多くの方が、結婚や子どもの出産、マイホームの購入などのライフイベントを迎えるのも、30代の特徴です。
ライフイベントには、基本的にまとまった資金が必要であるため、計画的に貯蓄をしている方も多いでしょう。一方で貯蓄をまったくしていない方や、結婚式や新婚旅行などですでに貯蓄を使った方もいるはずです。
本記事では、30代の平均貯蓄額をさまざまな視点で考察していきます。
30代の平均貯蓄額はいくら?
※出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
厚生労働省の国民生活基礎調査の概況によると、30代における1世帯あたりの平均貯蓄額は、530.0万円です。29歳以下の平均貯蓄額が179.8万円であることを踏まえると、大幅に増えています。
一方で平均貯蓄額以上に増えているのが、平均借入額です。29歳以下の平均借入額が248万円であるのに対し、30代は1071.1万円と約4倍に増えています。また平均借入額1,071.1万円は、40代以降の世帯と比較しても、もっとも多い額となっています。
30代の借入金額が増えている理由は、住宅の購入が理由でしょう。同調査によると、30代で貯蓄が前年よりも減ったと回答した人のうち、18.5%が土地・住宅の購入費と回答しています。これは、ほかの年代と比較しても高い割合です。
住宅は、一般的に数千万円と高額であるため、多くの方が住宅ローンを組んで購入します。30代はマイホームを購入し、住宅ローンの返済が始まったばかりの世帯が多いことから、平均借入額がほかの世代よりも多い結果となったのではないでしょうか。
30代の貯蓄の中央値
中央値とは、データを小さい順に並べたときに、真ん中にくる値のことです。平均値と合わせて中央値も確認することで、貯蓄や所得などの実態を把握しやすくなります。
国民生活基礎調査の概況をもとに、30代の貯蓄額を小さい順に並べると、300〜400万円のあいだに中央値があると推察できます。
また金融広報中央委員が実施した調査によると、30代の2人以上世帯における貯蓄額の中央値は400万円、単身世帯は70万円でした。※出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」単身世帯 2人以上世帯
世帯別の貯蓄額
30代の単身世帯と家族持ち世帯の貯蓄額について、さらに詳しく比較してみます。
以下は、30代の単独世帯(独身世帯)と核家族世帯について、貯蓄の有無を比較した結果です。核家族世帯は「夫婦のみの世帯」「夫婦と未婚の子のみの世帯」「ひとり親と未婚の子のみの世帯」で構成されます。
単独世帯 | 核家族世帯 | |
---|---|---|
貯蓄あり | 83.5% | 85.7% |
貯蓄なし | 16.5% | 11.8% |
※出典:厚生労働省「国民生活基礎調査」164:世帯数,貯蓄の有無-貯蓄額階級・世帯構造・世帯主の年齢(10歳階級)別 を加工して作成
核家族世帯のほうが単独世帯よりも、貯蓄があると回答した人の割合が多い結果となりました。
次に、単独世帯と核家族世帯の貯蓄額と、調査の対象となった30代の総数に占める割合を確認していきましょう。
単独世帯 | 核家族世帯 | |
---|---|---|
50万円未満 | 15.0% | 4.9% |
50万〜100万円未満 | 7.5% | 4.9% |
100万〜200万円未満 | 8.3% | 14.6% |
200万〜300万円未満 | 9.0% | 10.0% |
300万〜400万円未満 | 6.8% | 8.4% |
400万〜500万円未満 | 3.8% | 4.6% |
500万〜700万円未満 | 12.8% | 10.1% |
700万〜1,000万円未満 | 4.5% | 7.4% |
1,000万円以上 | 14.3% | 14.7% |
貯蓄額不詳 | 1.5% | 1.4% |
※出典:厚生労働省「国民生活基礎調査」164:世帯数,貯蓄の有無-貯蓄額階級・世帯構造・世帯主の年齢(10歳階級)別 を加工して作成
貯蓄額が50万円未満と回答した割合は、単独世帯が15.0%であるのに対し、核家族世帯は4.9%と大きな差があります。また貯蓄額が100万〜500万円未満であると回答した人の割合は、いずれも核家族世帯が単独世帯を上回っています。
一方で、貯蓄額が1,000万円以上であると回答した人の割合は、世帯による差はみられません。
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