冬に増える高齢者の転倒事故 「まだ大丈夫」を「これからも大丈夫」に変える住環境の見直し

弘瀨美加

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テーマ:シニア世代の心身の特性に配慮した整理収納



冬になると、高齢者の転倒事故は急激に増えます。
ここ最近、私の周囲でも転倒による大腿骨骨折といった重傷事故が続いています。
大腿骨骨折は、寝たきりや要介護状態に直結することも多く、その後の生活を大きく左右します。
「冬の転倒」と聞くと、雪道や凍結した道路を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実際には転倒事故の多くは“自宅の中”で起きているのです。
そして、自宅での転倒は、住環境を見直すことで防げる可能性が高い事故でもあります。

なぜ冬は転倒しやすいのか?
冬の転倒は、身体の変化と環境の変化が同時に起こることでリスクが高まります。
■冬に高齢者の身体に起きていること
 ・寒さによる筋肉・関節の硬直
  血流が悪くなり、歩幅が小さくなってつまずきやすくなります。
 ・運動量の減少による筋力・バランス低下
  外出機会が減ることで、下肢筋力やバランス能力が急速に落ちます。
 ・反応速度の低下
  とっさに体勢を立て直すことが難しくなります。
 ・ヒートショックによるふらつき
  暖かい部屋から寒い玄関・脱衣所へ移動した際に、めまいや立ちくらみが起きやすくなります。
■冬ならではの環境による危険
 ・厚着による動作の制限
 ・ホットカーペットや暖房器具のコード類
 ・こたつ布団やマットのわずかな段差
 ・結露によって滑りやすくなった床
 ・冬は日没が早く、家の中が暗くなりやすい
これらが重なることで、ほんの数センチの段差やコードでも転倒につながるのが冬の怖さです。

住環境の見直しで、冬の転倒リスクは減らせます
高齢者の住環境は、「危険をなくす」だけでなく、高齢者の身体特性に合わせることが重要です。
■照明を明るくし、足元灯を設置
  高齢者は暗がりで段差や障害物を認識しにくくなります。
  冬は16時以降、家の中が一気に暗くなるため、廊下・トイレ・寝室への動線には足元灯を。
■カーペット・マット・コード類の整理
  足の運びが小さく、足裏感覚も鈍くなる高齢者にとって、わずかなめくれやコードでも転倒原因になります。
  マットは固定する、使っていないカーペットは撤去、コードは壁沿いにまとめる
■服装・靴下・室内履きの見直し
 ・重ね着しすぎない、動きやすい服装
 ・厚すぎる靴下は足裏感覚を鈍らせるため注意
 ・スリッパではなく、滑りにくくフィット感のあるルームシューズを選ぶ
■脱衣所・浴室の寒さ対策
  寒い脱衣所では筋肉が硬直し、転倒が起こりやすくなります。
  壁掛け暖房や小型ヒーターで、ヒートショック対策を。
■段差は「色のコントラスト」で見える化
手すり設置が難しい場合でも、段差部分に色の違いをつけるだけで注意喚起になります。

転倒は、避けられないものではありません。
高齢者の転倒は、身体の変化と住環境の小さな危険が重なって起きています。
だからこそ、住環境を見直すことは、
「まだ大丈夫」を「これからも大丈夫」に変える大切な一歩です。



シニア世代の心身の特性に配慮した整理収納・comfy living

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弘瀨美加
専門家

弘瀨美加(講師)

comfy living

在宅介護経験者だから伝えられる実践的な整理収納スキルに強み。高齢者の心身の特性に配慮した収納のテクニックで安全で安心な住環境の整え方を提案。介護する人される人、双方の気持ちの負担も軽くなるよう努める。

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