国際福祉機器展

80代のAさんは、遠方で一人暮らしをしていたお兄さんが亡くなり、遺された家の片づけを始めました。
もう誰も住む予定がなかったため、家は処分することに。必要なものだけ取り置き、残りの家具や家電、ゴミなどは「家を解体するときに一緒に処分すればいい」と考えていたそうです。
家の解体と「残置物処分」のルール
片づけをしながら色々と調べていくうちに、Aさんは重要な事実を知りました。
家の解体で出る「産業廃棄物」と、家の中に残っている「一般廃棄物(残置物)」は、法律で混合して処理することが禁じられている。
つまり、家の中の荷物を残したまま解体を依頼すると、残置物は別途処理が必要になるのです。
残置物の撤去を業者に依頼することは可能ですが、別途費用がかかり、結果的に解体費用が高くなってしまいます。
Aさんは「できるだけ自分で片づけよう」と頑張りましたが、量が多くて想像以上に大変。自身の体力と気力も続かず、途中であきらめ、最終的には業者に依頼した結果、自分で処分するよりも割高な費用での片づけになってしまいました。
Aさんが学んだ「生前整理の大切さ」
この経験を通して、
「生きているうちに、使っていないものは少しずつ処分しておくことが大切。」
「もし自分でできないなら、業者に依頼するための費用を残しておくことも必要。」
とAさんは強く感じ、「元気なうちにできる範囲で整理しておくことが、自分にも家族にも優しい選択」だと実感しました。
家を解体するときのポイント
家を解体する際には、家財を残さないのが基本。
家財を残したまま解体を依頼すると、解体業者がそれを処分することになり、「廃棄物処分費用」が上乗せされて総費用が高額になります。
一方、自分で片づける場合は、自治体のルールに従って「一般廃棄物」として処分できます。
この場合、自治体が一部補助を行っているため、比較的安価に済ませることができます。
しかし、解体業者に任せると「産業廃棄物」として処理されるため、自治体の補助が使えず割高になってしまうのです。
今からできる「暮らしを整える一歩」
Aさんの体験を参考に、少しずつでも整理を始めてみましょう。
「また今度」と思っていた片づけは、始めてみると意外と心が軽くなるものです。
将来の安心のために、今から小さな一歩を踏み出してみませんか?
■シニア世代の心と体に寄り添う片づけを
シニア世代の方にとって、片づけは「体力」だけでなく「気力」も必要な作業です。
年齢を重ねると、モノに対する思い入れが深くなり、「捨てる=大切な記憶を失う」と感じる方も多いのです。
そのため、無理に一気に片づけるのではなく、“気持ちに寄り添いながら少しずつ” 進めていくことが大切です。
たとえば、今日は引き出し一つ、明日は写真アルバムだけ──そんな小さな積み重ねでも十分です。
シニア世代の方の整理収納をお手伝いする中で、
「片づけはモノを減らすことではなく、自分の人生を整えること」だと強く感じています。
体にも心にも優しいペースで、安心して過ごせる住まいづくりを一緒に考えていきましょう。
シニア世代の心身の特性に配慮した整理収納・comfy living
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