大切なのは“使える”より“安全”〜気づきにくいアルミホイルの劣化〜

弘瀨美加

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テーマ:シニア世代の心身の特性に配慮した整理収納



年齢を重ねると、「もったいない」という気持ちがますます強くなるものですよね。
でも、体のことを考えると、使えるかどうかより、「安全かどうか」を見直すことも大切です。
先日、もうすぐ80歳になるAさんのお宅で片づけ作業をしたときに、思いがけずそんなことを考えさせられる出来事がありました。

キッチンから始まった片づけ
Aさんのお宅は、長年の思い出や日用品でいっぱい。
まずはキッチン周りから片づけを始めることにしました。
ダイニングテーブルの上には、封を開けたままの調味料やラップ、新聞紙などが並んでいて、その中からひとつひとつAさんと一緒に整理していきました。

アルミホイルの中に異変が…
その中から出てきたのが、使われていないけれど、封が開いていたアルミホイル。
見た目は普通なのですが、中を引っ張り出してみると…
なんと、真ん中の部分が白っぽく変色していて、ホイル同士がくっついている状態。両端しか出てこないのです。

なぜ白くなるの?その原因は…
このような状態は、「腐食」と呼ばれるもので、保管中に湿気がたまりやすく、酸化が進んでアルミホイルが劣化してしまうのが原因です。特に、温度差の大きい場所や湿度が高い環境では、結露が起きやすく、中心部分が傷みやすくなるのです。

ちょっとくらい平気? でも要注意!
Aさんは「もったいないから、まだ使えるわよ」と言っていました。
実際、軽い変色であれば、健康な人が普通に使う分には心配ないとも言われています。
しかし、触ると白い粉がつくような状態は腐食が進んでおり、ホイル自体がもろくなっています。
このような場合は、食品に使うのは避けた方が良いのです。

高齢者ほど気をつけたい理由
年齢とともに、腎臓の働きが弱くなることがあります。
すると、体の中にアルミニウムがたまりやすくなり、健康への影響が出やすくなるのです。
「まだ使える」と思っても、体に負担をかける可能性があるものは、思い切って処分することも大切です。

物を大切にする心はとても素晴らしいことです。
でも、自分の体を大切にすることは、もっともっと大切なことかもしれません。
今回の片づけを通して、Aさんも「やっぱり体が一番大事ね」と笑顔で言ってくださいました。
皆さんも、お家にある日用品、特に食品に使うものは、ときどき見直してみてくださいね。
「もったいない」より、「安全第一」。
これからも元気に暮らすために、ちょっとした気づきを大切にしていきましょう。

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弘瀨美加
専門家

弘瀨美加(講師)

comfy living

在宅介護経験者だから伝えられる実践的な整理収納スキルに強み。高齢者の心身の特性に配慮した収納のテクニックで安全で安心な住環境の整え方を提案。介護する人される人、双方の気持ちの負担も軽くなるよう努める。

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