鍵かけますか?
高齢の方や認知症のある方への接し方といったような記事などには、
よく『自尊心を傷つけないように気をつけましょう。』と書かれています。
私も講座などでは、時折、お伝えしていますし、
介護をされているご家族も、その部分は大切にしていると仰います。
しかし、介護する側とされる側にはズレがあるように感じることがあります。
自尊心とは、自分自身を価値ある者だと感じる感覚ことで、
自分自身を好きだと感じること、自分を大切に思える気持ちのことです。
同じ様な意味として使われるのが『プライド』ですが、
自尊心は、自分自身を大切にする気持ちであるのに対して、
プライドは、それに加えて、他人と比べる気持ちというニュアンスがあります。
その人個人の感覚的なことなので、ご家族であっても、
そこを理解することは難しいことだと思います。
高齢になってくると、『年だから・・・』と
自分自身でも諦めることが多い中、
まだ、時間をかければ自分でできることも、
大切に思うあまり先回りをしすぎて、
ご家族が取り上げてしまうことも多いのではないでしょうか。
ご自分で納得して諦めるのと、周りから諦めさせられるのとでは、
ご本人の気持ちのなかで随分と違いがあると思います。
それが『ズレ』を生じさせてしまうのではないかなと・・・感じます。
もちろん、命の危険に関わることなどは先回りする必要もありますが、
諦めかけていたことも、『こうしたら、まだ、出来る』と
自信を持てるようにすることが、『自分自身を価値ある者』と感じられ、
自信を好きだと感じられたり、大切に思える気持ちがもてて、
結果、自尊心を傷つけないことになるのではないかと私は思います。