1本の電話

弘瀨美加

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テーマ:シニア世代の心身の特性に配慮した整理収納



この間、1本の電話がありました。
声の感じからすると、
70後半から80歳代くらいの女性。

電話をとると、
「タンスが開かないの」
「鍵を壊して欲しい」
と仰るのです。
よくお話を聴いてみると、
お子さんが、タンスに鍵をかけて、
中のモノを出せない様にしたとの事。

ご本人様は、
もう、その事で頭がいっぱいで、
パニック状態の様子。
お子さんがいたら、
電話に出てもらうように言っても、
お名前や住所を聞いても、
ただ、
「タンスに鍵をかけられて、大切なモノが出せない!」
「鍵を壊して中のモノを出して!」
と繰り返すばかり・・・。
お電話をいただいて申し訳ないのだけれど、
私には、タンスの鍵を壊す事は出来ないと、
何度も繰り返し伝えていると、
何方かの声が聞こえて電話が切れた。

この電話の後、
ご病気が、この電話を?などなど…
色々と想像してみたけれど、
ご本人様にはご本に様のご事情がって、
また、お子さんにはお子さんにはご事情があられる。
けれど、そこは、この電話だけでは分からない。
でも・・・私の勝手な想像だと
親子間の意思の疎通は出来ていないのかな?と思える。
「実家の片付けをする」というのは、
溢れているモノを減らす事だけではない。
親と一緒にモノを通して、
親の人生を振り返りそれを子が受容して、
親も子もモノと気持ちの整理をしながら、
親のこれからの人生を考えることが大切だと思う。
それなしだと、タダのモノの移動に終わる。
親子間のコミュニケーションは、
親の終活には必須だと思う。
この事は、いつもセミナーなどではお伝えしていますが、
いただいたお電話から、
もっともっと、多くの方にお伝えしなければと思った。

シニア世代の心身の特性に配慮した整理収納・comfy living

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弘瀨美加
専門家

弘瀨美加(講師)

comfy living

在宅介護経験者だから伝えられる実践的な整理収納スキルに強み。高齢者の心身の特性に配慮した収納のテクニックで安全で安心な住環境の整え方を提案。介護する人される人、双方の気持ちの負担も軽くなるよう努める。

弘瀨美加プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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