築40年超でも住める?マンションの寿命と“あと何年住めるか”を知るコツ

相澤和久

相澤和久

テーマ:不動産


ファイナンシャルプランナー・行政書士の相澤和久です。

新築マンションは高すぎる。
中古なら…と探してみたら、築年数のわりにリノベーションされてピカピカ。
しかも、立地も良くて価格も魅力的。

でも、ふと気になるのが「築40年超え。このマンション、あと何年住めるんだろう?」という不安。

実は、これは中古マンション購入を検討する人なら、誰もが一度は通る疑問です。
特に「旧耐震」や「築年数40年以上」の物件となると、見た目がきれいでも不安がつきまといますよね。

そこでこの記事では、
・鉄筋コンクリート造マンションの寿命の実際
・長く住み続けるために必要なポイント
をわかりやすく解説します!

現存する日本最古の鉄筋コンクリート建造物とは?


まずは「そもそも鉄筋コンクリートの建物って、そんなに長持ちするの?」という疑問から。

実際、日本には築100年以上たっても現役で使われている鉄筋コンクリート建物があります。

その代表例が、横浜市中区にある「KN日本大通ビル」(旧横浜三井物産ビル)です。
この建物は1911年(明治44年)に竣工し、2025年時点で築114年。現在もオフィスビルとして利用されています。

外観には歴史の趣を残しつつ、耐震補強や内装リニューアルが行われ、現代のオフィス仕様にしっかり対応。

「適切に手入れされれば、鉄筋コンクリート建物は100年以上使える」ことを体現した好例です。

鉄筋コンクリートの寿命は120年以上


では、一般的なマンションは何年もつのでしょうか?
国土交通省の報告書「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」によれば、鉄筋コンクリート造の建物は「おおむね120年~150年」使えるとされています。

建物の寿命は、鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートを内部から壊してしまう「爆裂」という現象が起きるまでを目安としています。

その原因になるのが「中性化」と呼ばれる劣化です。

中性化の流れはこうです。

  1. コンクリート表面のひび割れから水分が侵入
  2. コンクリート表面のヒビや割れ目から水分が鉄筋に届き、鉄筋が錆びて膨張
  3. 膨張した鉄筋がコンクリートを内側から押し出し、破壊(爆裂)

この爆裂を防ぐためには、外壁の塗装や防水工事といった「大規模修繕工事」が欠かせません。
つまり、「建物の寿命は、きちんと修繕するかどうか」で大きく変わるのです。

躯体と設備は別物!マンション設備の寿命


鉄筋コンクリートが長持ちするとしても、住まいにはもうひとつ重要な要素があります。
それが「設備」です。
配管、エレベーター、玄関扉やバルコニーの手すりなど、生活を支える設備は躯体とは別に寿命があります。

目安は以下の通りです。

  • 給水管・排水管:約30年
  • エレベーター:約30年
  • 機械式駐車場:約20年
  • 玄関扉:25~30年
  • アルミサッシ:30~40年
  • 外壁補修:10~15年
  • 屋上防水:12~15年

これらは劣化したら交換・修繕する必要があります。
そのため、マンション全体では「長期修繕計画」を立て、修繕積立金を積み立てておくのが一般的です。

中古マンションを購入する際は、この修繕計画がしっかりしているか、積立金が適正に確保されているかを確認することが、長く安心して住むためのポイントになります。

長期的に住み続けられるマンションの条件とは?


さて、「築40年のマンションでも住めるか?」という質問への答えですが——
適切に修繕され、設備の更新が行われていれば、あと80年は住み続けられる可能性があります。

とはいえ、修繕にはお金がかかります。
住民から集めた修繕積立金が不足すれば、大規模修繕は先延ばしされ、建物の劣化は進行します。

逆に言えば「修繕に必要なお金が集められるマンション」なら長く住み続けられます。

そしてそのお金の源は「そこに住みたいと思う人がいるかどうか」。
自己居住でも賃貸需要でも、住みたい人がいれば物件の価値は保たれ、修繕費用も確保しやすくなります。

将来にわたって住みたい人がいる——
その条件を決める最大のポイントは「立地」です。

不動産の世界にはこんな言葉があります。

1に立地、2に立地、3・4がなくて、5に立地。

築年数にかかわらず、立地が良い物件は賃貸・売買の需要が途切れません。
だからこそ、「築年数=不安」ではなく「立地×管理状況」で判断することが大切です。

まとめ


築40年を超えるマンションでも、適切な修繕と設備更新さえ行われていれば、100年超えも夢ではありません。
しかしそのためには、修繕積立金や管理体制、そして「立地の良さ」が大きく関わります。

価格や内装のきれいさだけに目を奪われず、

  • 長期修繕計画がしっかりしているか
  • 修繕積立金が不足していないか
  • 立地に将来性があるか

これらを確認することで、「あと何年住めるか?」の不安はぐっと小さくなるはずです。

中古マンション探しは「築年数=寿命」ではなく、「管理と立地の総合力」で選ぶのが正解です!

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相澤和久
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相澤和久(行政書士)

行政書士相澤和久事務所

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