契約当日まで契約書・重要事項説明書を確認できないのは普通なのか?

相澤和久

相澤和久

テーマ:不動産


ファイナンシャルプランナー・行政書士の相澤和久です。

中古マンション購入において、契約書や重要事項説明書を契約当日まで確認できないことはよくあります。

しかし、これは「当たり前」ではありません。

多くの仲介会社では、売主と買主の間で契約が決定した後に契約書類を作成するため、書類が契約当日ギリギリになってしまうことがあります。

大手の不動産仲介会社では、営業担当者と書類作成部門が別になっていることが多く、そのため書類が遅れることもあります。

特に、書類作成部門の混雑状況によっては、契約書が予定通りに仕上がらないことも珍しいことではありません。

これらの理由により、契約書類の確認が当日までできないケースが多くなります。

余裕をもった日程で契約するべきでは?

もちろん、契約日を急いで設定するのではなく、余裕を持って日程を設定する方が理想的です。

しかし、契約を急がせる理由の一つとして、仲介会社側には「当事者の気持ちが変わらないうちにサッと済ませてしまいたい」という思惑があります。

また、事前に契約書類を作成しておくことができれば、双方にとってスムーズな進行が可能です。

とはいえ、仲介会社は成約報酬制であるため、契約が決まるまで手間をかけたくないという気持ちを持っていることを理解しつつ、どうすれば事前に確認できるのか考えなくてなりません。

事前に契約書類を確認する方法

初めて中古マンションを購入しようと思っている方が不安なのは、どのような契約書にサインするのかということではないでしょうか。

それであれば、「個別の条件は空欄で構いませんので、契約書のひな形書式を事前にいただけないでしょうか?」と伝えてみましょう。

こうしたリクエストをすることは決しておかしなことではありません。
仲介会社もひな形書式を送ること自体は嫌がることはありません。

一方で、仲介会社としては、事前に契約書を開示することで、購入者が細かい要求をするのではないかと警戒することもあります。
そのため、不安を感じていることを伝えつつ、配慮した言い方をするのが良いでしょう。

重要事項説明書を事前に確認する方法

契約書と比べて、物件ごとに内容が異なる重要事項説明書は作成に時間がかかります。
そのため、重要事項説明書を事前に確認するのは難しいことが多いです。

しかし、契約前日や当日に内容を確認してサインをするのは不安が大きいものです。

そのため、「重要事項説明書に関する付属資料だけでも先に確認させていただけないでしょうか?」とお願いするのが有効です。

仲介会社は、物件に関する重要事項を役所や管理会社に問い合わせ、調査資料を入手しています。
例えば、管理規約や定期総会議事録などは、販売開始時にはすでに手に入れているので、お願いすれば早めに確認できるはずです。

これらの調査資料を事前に読み込むことによってより物件に対する理解を深めることができます。

物件状況確認書(告知書)と設備表の確認

中古マンションを購入する際に最も気になる点の一つが、近隣トラブルや事故・事件の有無です。

これについて確認したいのであれば、物件状況確認書(告知書)をもらいましょう。

売主は販売開始時に事故・事件の有無やリフォーム歴を申告して書面を提出しており、それが告知書として契約書の一部に含まれることになります。

また、売主が物件にどんな設備があるのか、どの設備が正常に使えるのかを記載した設備表も確認しましょう。
壊れている設備についてはその旨も記載されます。

これらの書類は販売開始時に作成されているので、検討段階で仲介会社からもられるものです。
契約前ではなく、物件を検討している段階で確認しておくべき書類です。

まとめ:中古マンション購入前に確認すべき重要書類

中古マンション購入の際、契約前に必ず確認すべき書類は以下の通りです。

契約書のひな形:基本的な契約条項を事前に確認

重要事項説明書の付属資料:物件に関する重要な情報を事前に把握

物件状況確認書(告知書):事故・トラブルの有無を確認

設備表:設備が使えるかどうかを確認

中古マンションの売買は急かされがちで、十分に理解できないまま契約が進んでしまうことが多いです。
そのため、購入者自身で早めに仲介会社に相談し、必要な資料を集めてしっかりと判断をすることが重要です。

ただし、資料を手に入れたからといって安心するのは早いです。
記載された内容からデメリットをしっかりと読み取ることが必要です。

専門的な知識が求められる場合は、プロの力を借りることをおすすめします。

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相澤和久
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相澤和久(行政書士)

行政書士相澤和久事務所

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