外壁塗装を依頼するのはいつの季節がいい?
外壁塗装の剥がれが住まいにどんな影響を与えるか、そして、その補修作業などについてお話ししたいとおもいます。
外壁塗装の剥がれを放置する危険性
塗り替えリフォーム専門店アイビーリフォーム代表親方の小口哲司です。
住まいの外壁塗装にはさまざまな役割があります。住まいを美しく見せるのも大きな役割ですが、機能面から見た大きな役割に「防水」があります。外壁塗装の剥がれによって、この機能が著しく低下した場合、住まいは大きなダメージを受けかねません。とくに木造家屋の場合、その危険が大きいと言えます。
外壁塗装の剥がれは雨水の浸入を招きます。その影響がすぐに出ることはありませんが、長い期間、雨水が浸入する状態を放っておくと家の中の木材が水分を含み、木材腐朽菌が繁殖しやすい状態になります。木材腐朽菌とは、文字通り、木材を腐らせる菌類のことです。この菌が木材を分解する酵素類を分泌して、木材の組織を壊してしまうのです。
この菌の侵食がすすむと、木材は指でつまんだだけでボロボロと粉状に崩れるほど弱くなります。住まいを支える柱がこうした状態になれば、強い地震に耐えることができなくなり、最悪の場合、倒壊の危険さえあるのです。
剥がれの補修方法
外壁塗装に剥がれが生じた際の補修方法を見てみましょう。
まず、剥がれている塗膜をすべて念入りに除去します。ヘラや研磨紙を使った地味な作業ですが、この作業を徹底せず、浮いた状態の塗膜を残してしまうと、新たに塗料を塗ってもそこから剥がれてしまうことになるからです。
次に、高圧洗浄で塗装面をきれいにします。高圧洗浄を行うことで細かい粉状のゴミなども取り除くことができます。外壁塗装では塗装前に、塗装面をきれいに、滑らかにしておくことが重要なのです。
洗浄後、塗装面の乾燥を待ち、塗装工程に入ります。塗装は、下塗り、中塗り、上塗りと進めて行きます。
外壁塗装の剥がれが部分的であれば、補修もその部分だけですみますが、剥がれている箇所が多い場合は外壁全体を再塗装したほうが良いでしょう。塗装全体の経年劣化が考えられますし、前回の塗装後1~2年で剥がれが出たというケースでは、施工不良も考えられます。
外壁の剥がれ補修にDIYが不向きな理由
外壁塗装の剥がれが部分的で範囲も狭い場合、自分で補修しようとお考えになる方もいらっしゃるとおもいます。インターネットにもそうした方のためのページがあり、補修方法の解説が載っています。ただ専門家の立場から言えば、補修をDIYで行うことはおすすめできません。
と言うのも、塗装は、単に塗料を塗るのが目的ではなく、塗料を塗ることで塗膜を形成し、防水性など塗料が持つ機能を十全に発揮させることが重要になるからです。
そのため塗装前の下準備、下地処理が非常に大切になりますし、入念な下地処理を施したうえで、外壁の材質に合った塗料を選択し、塗料はメーカーが指定している希釈率に従って希釈しなければなりません。刷毛で塗るのかローラーで塗るのかでも塗り方が違ってきます。
外壁の剥がれ補修をDIYで行うのにも塗料や刷毛・ローラーの用意などでお金がかかりますし、DIYに割く時間も丁寧にやろうとすればかなりかかるとおもいます。その結果、見た目は剥がれが補修できたように見えても、すぐに同じような剥がれが生じるようではお金も時間もムダになってしまいます。
外壁塗装は住まいを守るうえで重要な役割を担っています。やはり、専門家の現状調査、調査に基づく丁寧な補修を選択されることをおすすめします。
外壁に剥がれが生じたら
外壁塗装を行って1~2年で剥がれが生じたという場合、まず、施工会社に連絡してみましょう。きちんとした施工をしていれば、1~2年で剥がれが出ることはあまりありません。施工不良が原因と考えられます。
現状を確認し、自分たちの施工不良が原因と分かれば、良心的な施工会社であれば責任を持って補修するでしょう。
施工不良が疑われるものの、施工会社の判断が「この剥がれは経年劣化によるもので、自分たちの責任ではない」ということであれば、その施工会社に再塗装を依頼する前に、他の施工会社にも現状を見てもらい、見積書を提出してもらうことをおすすめします。
その際、剥がれの原因、その補修方法、そのためにかかる経費について、一般の方にも分かるよう具体的に説明する施工会社は信用できるとおもいます。
職人というと「細かいことは言わずに、任せて下さい」と言う人をイメージする方が多いかもしれませんが、本当の職人は、作業のポイントを十分に把握し、そのために何をすべきかも具体的に知っています。ですから、補修作業について説明を求められたなら、そのポイントごとに、一般の方にも分かりやすく説明する能力も併せ持っています。そうした職人、施工会社には作業を安心して任せることができます。