Mybestpro Members

中井博プロはテレビせとうちが厳正なる審査をした登録専門家です

特許を融資獲得に利用することも可能。有効活用を

中井博

中井博

テーマ:特許取得の活用法

特許があれば融資獲得が容易に

特許権は、自社が持つ技術やアイデアを守るだけでなく、他にも有効活用できる可能性があります。
そのなかのひとつに、金融機関からの融資獲得におけるメリットがあります。
特許などの知的財産の保有が強みとなり、資金獲得がスムーズになる可能性があります。

一般的に、特許権を始めとする知的財産権は、企業の競争力や事業の優位性につながります。実際に権利の保有が、融資の獲得に有利に働くケースもあります。

しかしながら、特許庁による調査(平成25年度「中小企業の知的財産活動に関する基本調査報告書」)によると、現状ではまだまだ知的財産権の保有が資金獲得を容易にしてくれるケースは多くないようです。

近年ではこうした現状を打破して、知的財産権が融資獲得に有利に働くような仕組みづくりが急速に進められています。

特に、特許などの知的財産権を担保にして融資を受けられる「特許担保融資」の普及が加速しています。

特許担保融資の普及にあたって

特許担保融資の普及促進にあたっては、いくつかの課題があります。
仮に特許を担保として金融機関が融資を行う場合について考えてみましょう。

金融機関は融資にあたって、その特許の正確な価値を評価しなければなりません。また企業側でも、特許の価値や将来性を論理的に説明しないといけません。
こうした知的財産の評価におけるノウハウが、金融機関にも事業者にも不足しているのが現状です。

特許庁では、特許担保融資の普及促進のため、2014年より中小企業への支援の取り組みをスタートさせています。
特許庁から中小企業に対して、知的財産権の資産評価などに関する専門家を派遣。また、融資判断のための「評価書」の作成も代行するなどの支援策を行っています。

特許担保融資を受けるためのポイント

特許を持っているからといって、それがすぐに融資に有利に働くわけではもちろんありません。担保として適格な特許であるかを判断する3つのポイントを紹介します。

まずは権利の安定性が重要です。
担保の対象となる特許が、異議申立てや無効審判請求などを受ける心配がないか、また複数の主体によって共有されている特許権の場合は、権利の行使や処分に際しての制限はないか等、が判断されます。安定性に欠ける権利であれば担保化は困難と言えます。

次に、担保の対象となる特許が実際の事業において収益、競争力の源泉となっている必要があります。いくら革新的な技術でも、収益を生まないものでは担保には不適格とされます。

最後のポイントは、その特許に将来性があるかどうかです。長期にわたって収益を生み続けることはもちろん、もし仮に事業が破綻に陥った際であっても担保処分、第三者への権利移転が可能であるということも求められるのです。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

中井博
専門家

中井博(弁理士)

中井国際特許事務所

「お客様との面談、現場に足を運ぶ、発明品を自分の目で見る」を3本柱に、地元の中小企業を中心に活躍。過去の経験で培った機械分野の専門知識を武器に、的確な判断力とアドバイスで知的財産権保護に尽力。

中井博プロはテレビせとうちが厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

発明の発掘をサポートするプロ

中井博プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼