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コラム

商標は文字、図形、記号、立体的形状など。保護対象に化体する信用や信頼を保護するのが目的

2015年8月8日

テーマ:弁理士のいつでも特許相談@高松

コラムカテゴリ:法律関連

商標権の対象となるものは?

世の中に数ある商品やサービスのなかから、ある特定の商品・サービスを区別し、選択するための目印のことを「商標」と呼びます。
商標は、その商品・サービスの提供元がどの企業・事業者であるかを消費者に伝える役割を果たしています。

具体的には、商品やサービスの名前・ロゴマーク、また企業やブランドの名前(商号)、さらには立体造形物(例:ケンタッキーのカーネル・サンダース人形)などが商標に当たります。
また、文字・図形・記号・立体の商標を組み合わせたものも、商標登録の対象になります。

そして、商標権を取得することによって、登録された商標は、商標権者が独占的に使用することが可能になります。

商標権保護の目的と権利行使

商品名やブランド名は有名になると、他人がその信用を利用するために、商品名やブランド名を使用する場合があります。このように、他人が商品名やブランド名を使用した場合には、消費者が誤認・混乱するような状況になり、事業者はもちろん、消費者にも著しい不利益が生じることは容易に想像がつきます。このような事態を避けるために、事業者は、商標権で商品やブランド名を保護することが必要です。

もし、自身が持つ商標権が侵害されるケースに遭遇した場合、権利者は差止請求や損害賠償請求を行うことができます。

一方、現在登録されていない商標は、誰でも商標権を取得できます。例えば、自身が先に使っていた商標であったとしても、商標登録をしていなければ、他社が後から商標登録してしまえば、その商標は他社のものになってしまいます。すると、これまで使っていた商標が使用できなくなってしまいます。

このような事態を防ぐためには、自身の事業において、商標権を適切に保持管理しておくことは非常に重要となります。

商標権の申請と保護期間

商標権は、特許権と同様に、審査を経て認められたものだけが登録されます。商標も、意匠の場合と同様に、審査請求手続きが不要です。したがって、商標を出願をすれば自動的に審査されます。そして、審査で登録してもよいと認められれば、登録査定が通知され、登録料を納付すると商標権が発生します。

出願後の審査は比較的早く、出願からおよそ4~5カ月程度で登録(商標権発生)となります。

商標権は、意匠権と同様に、登録された日を基準にして権利期間が算出され、権利期間は登録された日から10年間です。

商標権の特徴は、権利期間(10年)が満了すると消滅するのではなく、権利期間(10年)を何回でも更新することができる点にあります。つまり、商標権は、無制限に更新が行えるため、事実上の永久権として維持することができます。

これは、商標が、需要者の保護や企業の信用を維持するための権利だからです。
つまり、権利期間が過ぎたからといって同じ名前の商品が続々と出てきてしまうと、事業者はもちろん需要者も非常に困ります。この問題を防ぐために、事業者が商標をずっと使用できるように、商標権は、無制限に更新が行える(事実上の永久権)制度になっているのです。

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中井博

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中井博(中井国際特許事務所)

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