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次世代ガルバリウム鋼板『エスジーエル』が拓く、革新的屋根リフォームの未来

瀧澤豊

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テーマ:鋼板屋根


1. はじめに

建物の屋根は、外観の美しさだけでなく、耐候性・耐食性、省エネルギー性、さらには耐震性に直結する非常に重要な役割を果たしています。特に金属屋根は、軽量でありながら高い耐久性を持ち、現代の過酷な気候条件にも対応できるため、住宅リフォームや新築工事において欠かせない存在となっています。
私たちの屋根工事では、数多くの現場で「次世代ガルバリウム鋼板 エスジーエル(SGL鋼板)」を採用しており、既に200件以上の施工実績を誇ります。本コラムでは、SGL鋼板の開発背景から最新の製造技術、特にフッ素塗装による防錆・遮熱効果、そして他の屋根材との比較まで、幅広い観点からその優れた特性と実績について詳しくご紹介します。


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2. 金属屋根材の進化とエスジーエルの開発背景

2.1 従来の金属屋根材とその課題

これまで、金属屋根材として広く使われてきたのは、亜鉛めっきのトタンや、アルミニウムと亜鉛の合金であるガルバリウム鋼板です。これらは、低コストで施工できるうえ、軽量であるため、住宅や商業施設、工場など多岐にわたる用途に対応してきました。しかし、特に海岸部や工業地帯のような厳しい腐食環境下では、従来の製品では十分な耐食性を発揮できず、定期的な塗装や補修によるメンテナンス負担が大きな課題となっていました。

2.2 エスジーエルの誕生

こうした課題に応えるため、日鉄鋼板株式会社は、長年のガルバリウム鋼板の実績と最先端の技術開発の経験を活かし、耐食性のさらなる向上を目指して「次世代ガルバリウム鋼板 エスジーエル(SGL鋼板)」を開発しました。エスジーエルは、従来のガルバリウム鋼板(55%アルミ-亜鉛合金めっき鋼板)の技術を基盤とし、そこにマグネシウム(Mg)を添加することで、従来品の3倍以上の耐食性を実現。特に、切断端部や施工中に生じる傷部など、従来の製品で腐食が進みやすい箇所において、その防錆効果が顕著に発揮されます。
「SGL」という名称には、Superior(上質な)、Special(特別な)、Super(超越した)の意味が込められており、従来のガルバリウム鋼板の進化版として、建築外装材の新たなスタンダードを確立する意図が感じられます。
次世代ガルバリウム鋼板 エスジーエルについて
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3. SGL鋼板の製造技術とフッ素塗装の役割

3.1 複合めっき技術の秘密

エスジーエルは、鋼板表面にアルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)の三種類の金属を最適なバランスで共存させた複合めっき技術を採用しています。

アルミニウム:不動態皮膜を形成し、酸化に対する耐性が極めて高い。
亜鉛:犠牲防食作用により、万が一表面が損傷しても亜鉛が先んじて酸化し、鋼板自体を保護する。
マグネシウム:亜鉛の被膜をより緻密にし、切断端部やキズ部などの露出部分において、防錆効果を飛躍的に向上させる。
この三者が協調することで、エスジーエルは従来のガルバリウム鋼板よりも多層の酸化皮膜を形成し、厳しい環境下でも安定した耐食性を維持できるのです。

3.2 フッ素塗装の重要性

エスジーエルは、工場出荷時にフッ素系遮熱塗装が施されています。フッ素塗装は、以下のような優れた特性を持っています。

耐候性・耐紫外線性:フッ素樹脂は紫外線に非常に強く、長期間にわたり塗膜の劣化を防ぎます。
耐摩耗性・耐汚染性:硬く滑らかな塗膜は、風雨や飛来物による摩耗や汚れの付着を防ぎ、美しい外観を長く保ちます。
遮熱効果:高い反射率により太陽光を効率的に反射し、屋根裏温度の上昇を抑制。これにより、室内の冷暖房効率が向上し、省エネルギー効果も期待されます。
これらのフッ素塗装の効果が、エスジーエルの耐食性をさらに強固にし、長期的な耐用年数の延長とメンテナンスコストの低減に直結しています。

3.3 施工工程と現場での注意点

エスジーエルは、工場出荷時の品質管理だけでなく、現場での施工においてもその性能を最大限に発揮するための工程管理が徹底されています。

下地処理:塗装前の鋼板は十分に洗浄・防錆処理を施し、フッ素塗装の密着性を確保。
固定方法:建物の熱膨張・収縮を考慮し、釘留めや接着剤を使用して確実に固定。
施工時の管理:現場での温度・湿度管理、塗装作業の均一性確認など、細部にわたる品質管理が実施されます。
これらの工程により、エスジーエルは完成後も長期間にわたって高い防錆性能と美観を保ち続けることができます。

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4. エスジーエルの耐食性向上メカニズムの詳細

4.1 アルミニウム含有率の最適バランス

エスジーエルの耐食性は、アルミニウム含有率が約55%に設定されている点に大きな秘密があります。アルミニウムは不動態皮膜を形成し、亜鉛の犠牲防食作用と相まって高い防錆効果を発揮します。実験結果や試験データからも、アルミニウム含有率がこのバランスを維持しているエスジーエルは、従来のガルバリウム鋼板よりも腐食進行が大幅に抑えられていることが確認されています。

4.2 マグネシウム添加の効果

エスジーエルにおいては、マグネシウムが最適な割合(約2%)で添加されています。マグネシウムは亜鉛やアルミニウムと共に、緻密な酸化皮膜を形成する役割を果たし、特に切断端部や加工部分での腐食を効果的に抑制します。この作用により、エスジーエルは過酷な腐食環境下でも従来品の3倍以上の耐食性を実現しているのです。

4.3 切断端部・傷部の防錆効果

屋根材としての施工時、鋼板の切断端部や施工中に生じる傷部は腐食の進行が早い箇所です。エスジーエルでは、複合めっき技術とマグネシウム添加により、これらの部分にも均一で厚みのある保護皮膜が形成されます。現場でのクローズアップ写真(例:[Image 26]~[Image 29]参照)でも確認できるように、切断端部の防錆対策が徹底され、耐用年数の延長に寄与しています。

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5. エスジーエルの製品ラインナップと特徴

日鉄鋼板株式会社では、エスジーエルを中心に複数の製品シリーズを展開しています。用途や求められる性能に合わせた製品群は、建物の外装やカラーリングの要求に柔軟に対応できるよう設計されています。

5.1 ニスクカラーPro

高い耐食性と美しい外観を両立する製品。フッ素塗装により、色あせしにくく、長期間にわたって均一な仕上がりを実現。デザイン性を重視する住宅や商業施設に最適です。

5.2 ニスクカラーSGL

標準的な性能を持ちながら、耐食性と経済性に優れた代表製品。多彩なカラーバリエーションがあり、あらゆる建築用途に対応可能です。

5.3 耐摩カラーSGL

耐摩耗性に特化した製品で、交通量の多い商業施設や工場など、物理的摩耗が懸念される現場で採用されることが多いです。当社では、この耐摩カラーSGLを立平葺きや横葺きに使用するケースが多いです。


5.4 ニスクフロンSGL

特殊なフロント面処理が施され、さらに耐候性が強化された製品。塩害などの過酷な環境下での使用に適しています。

5.5 ハイレタンSGL

高い耐衝撃性と柔軟性を持ち、加工性や施工性に優れた製品。建物のデザインと耐久性を両立させるためのラインナップの一つです。

各製品の詳細な仕様やカタログ情報は、公式サイトの「カタログダウンロード」セクションから確認可能です([​NISCS.NIPPONSTEEL.COMのカタログダウンロード参照)

次世代ガルバリウム鋼板 エスジーエル



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6. 施工実績と現場での採用状況

私たちの屋根工事では、エスジーエルをはじめとするSGL鋼板を頻繁に採用しています。実際、これまでに100件以上の施工実績があり、住宅、商業施設、工場などさまざまな現場でその高い耐食性と美観、施工のしやすさを実感していただいています。
現場では、厳しい環境条件下でもエスジーエルが持つ防錆効果と耐久性が評価され、屋根リフォーム後も長期間にわたり安心してお使いいただけるとの声が多数寄せられています。私たちの施工現場では、下地処理から塗装施工、固定方法まで一貫した品質管理のもと作業が行われ、完成した屋根は美しい仕上がりと高い耐用性を誇っています。

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7. 経済性、省エネルギー性、耐震性の観点

7.1 ライフサイクルコストの削減

エスジーエルは、初期投資コストが若干高い場合もありますが、耐用年数が30~50年と非常に長いため、長期間にわたるメンテナンスや補修の頻度が大幅に低減されます。従来の屋根材と比較すると、定期的な塗装や補修工事の必要性が減り、トータルで見るとライフサイクルコストは大幅に削減されるため、経済性に優れた選択肢と言えます。

7.2 省エネルギー効果と遮熱性能

フッ素塗装による高い反射率は、太陽光の熱を効率的に反射し、屋根裏温度の上昇を抑えます。これにより、建物内の冷暖房負荷が軽減され、省エネルギー効果が期待できます。さらに、金属屋根材の軽量性は、建物全体の熱伝導率を低下させ、断熱性能の向上にも寄与します。

7.3 耐震性と安全性の向上

金属屋根材はその軽量性により、建物全体の重量負担を軽減し、耐震設計上も大きなメリットがあります。特に、地震発生時には屋根材の軽量化が建物の揺れを抑制し、被害の軽減に寄与します。私たちの施工現場でも、エスジーエルの採用により耐震性が向上し、安心してお客様に提供できる屋根工事となっています。

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8. 将来の展望と技術革新

8.1 さらなる技術進化の可能性

エスジーエルは、既に従来品を凌駕する高い耐食性と耐候性を実現していますが、今後も新たな複合めっき技術の開発や、さらに高性能なフッ素塗装、さらには断熱性・遮音性を強化する新素材との融合など、技術革新が進むと予測されます。これにより、より高い耐用年数と環境負荷低減、そして施工の効率化が進むことが期待されます。

8.2 市場動向と普及促進

住宅リフォーム市場および新築工事において、耐用年数やメンテナンスコストの削減が求められる中、エスジーエルの採用は着実に拡大しています。特に、海岸部や厳しい腐食環境下、工業地域においては、従来の屋根材では対応しきれないニーズに対し、エスジーエルの高い耐食性が大きな強みとなっています。私たちの施工実績もその一例であり、200件以上の現場で採用され、実績として確固たる評価をいただいております。

8.3 持続可能な建築と環境対応

環境保護やエネルギー効率の向上が叫ばれる現代において、長寿命でリサイクル性に優れるエスジーエルは、持続可能な建築資材としても高く評価されます。製品自体が高い耐用年数を持つため、使用後の廃棄頻度が低く、また製造工程においても省エネルギー技術が導入されることで、環境負荷の低減に貢献しています。

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9. まとめ

今回は、日鉄鋼板株式会社が開発した次世代ガルバリウム鋼板「エスジーエル(SGL鋼板)」について、以下の観点から詳しくご紹介いたしました。

技術背景と開発経緯

従来のトタンやガルバリウム鋼板の課題を踏まえ、マグネシウム添加とフッ素塗装という革新的技術により、従来品の約3倍以上の耐食性を実現。

製造技術とフッ素塗装の役割

複合めっき技術により、アルミ、亜鉛、マグネシウムが最適なバランスで共存し、フッ素塗装が耐候性・遮熱性を大幅に向上。これにより、切断端部やキズ部においても確実な防錆効果が発揮されます。

製品ラインナップと多彩な用途

ニスクカラーPro、ニスクカラーSGL、耐摩カラーSGL、ニスクフロンSGL、ハイレタンSGLといった各種製品が展開され、用途やデザイン要求に応じた最適な選択が可能。

施工実績と現場での採用状況

私たちの屋根工事では、エスジーエルは100件以上の施工実績があり、その耐食性、美観、耐震性、省エネルギー性が現場で高く評価されています。厳しい環境下でも安心して採用できる製品であることが実績に裏付けられています。

経済性・ライフサイクルコスト

初期投資はやや高いものの、耐用年数の延長やメンテナンス頻度の低減により、長期的なトータルコストは大幅に削減され、省エネルギー効果や耐震性の向上も期待できる点は、非常に経済的な選択肢となっています。

将来の展望と環境対応

今後もさらなる技術革新が期待され、市場における普及が進む中で、エスジーエルは持続可能な建築資材として、環境負荷低減と省エネルギー性能の向上にも大きく寄与するでしょう。

私たちの屋根工事では、実際にエスジーエルを使用しており、その優れた性能と高い施工実績(100件以上)により、多くのお客様から信頼をいただいております。屋根の美観、耐用年数、防錆性能、耐震性、省エネルギー性のすべてを兼ね備えたエスジーエルは、現代の建築現場における最適な選択肢です。

もし、今お使いの屋根の耐久性や外観、エネルギー効率に不安がある場合、または新築・リフォームで高品質な屋根材をお探しであれば、ぜひエスジーエルの導入をご検討ください。
当社では、これまでに100件以上の施工実績をもとに、最適な施工プランとお見積りを無料でご提供しております。お客様のご要望や建物の状態に合わせた最適な提案をさせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。


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瀧澤屋根工業(タキサワヤネコウギョウ)について

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私、瀧澤 豊(Yutaka Takisawa)、岩手県遠野市の自然豊かな環境で育ち、現在は盛岡市にて瀧澤屋根工業を率いています。盛岡市の瓦屋での7年間の研鑽を経て、2012年に当社を立ち上げました。私の屋根への深い愛情は、盛岡市内であらゆる屋根材に精通することに表れています。

2018年の最新設備投資により、私たちは技術的な精度と創造的な可能性をさらに高めました。インターネットを通じた情報共有にも力を入れており、業界内でのリーダーシップを発揮しています。

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屋根は生活に無くてはならないものです。だからこそ安全性が高く、安心して暮らすことができる屋根をつくりたい。長年培ってきた知識・技術・経験をいかし、お客様のニーズに合った屋根づくりをご提供します。

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