デジタル矯正~マウスピース矯正~
米国における歯列矯正は10代の通過儀礼と言われるほど(Dr.Walied Touni,DDS.MSDより抜粋),ほとんどのティーンエイジャーが10 歳から 14 歳の間に歯列矯正を受けます。当院においては20代~40代の比較的、時間とお金を自分でコントロールできる世代が矯正治療を始めることが多いように見受けられます。成人において矯正治療を始める最適な年齢というものはなく、患者さんご自身のタイミングに左右されることがほとんどです。
当院においては60代、70代の方も矯正治療を受けられています。矯正治療は年単位におよびますから、早めに始められた方がその恩恵を最大限享受できます。一方で、永久歯がすべて生え揃う前のお子さまに矯正治療が必要になる可能性があることをご存知ですか?
米国や日本の矯正歯科学会では、子どもが 7 歳前後に歯科矯正の評価を受けることを推奨しています。子どもへの矯正治療を小児矯正治療といいます。
小児矯正治療は、予防的治療でもあります。お子さまに生涯にわたる口腔の健康を維持する最善のチャンスを与えます。なぜなら、矯正歯科医は、成人期に発生しうる歯並びの乱れや噛み合わせのずれなどの問題の兆候を、治療可能な早期の時期に認識できるからです。
お子さまへの矯正評価
子どもたちへは半年ごとの定期的な歯のクリーニングが推奨されています。1歳の誕生日を過ぎたころから一般歯科医による定期的な口腔ケアに慣れることで、矯正治療を受ける際のストレスを和らげることができます。
その上で、お子さまの乳歯が抜け始め、永久歯が生え始めたら、矯正歯科の評価を検討しましょう。永久歯への交換が起こるほとんどの子どもが 6 歳頃なので、遅くとも 7 歳までに矯正歯科医に連れて行く必要があります。
矯正歯科医院ではお子さまの発育中の歯、歯茎、顎を評価します。曲がった歯などの一部の歯科矯正の問題はすぐに目に見えますが、他の問題は隠れていて評価できない場合があります。お子さまへの矯正治療計画の中で特に強調したいのが、お子さまのニーズにあわせた「定期的な通院」です。お子さまの一部には、乳歯萌出異常や乳歯早期脱落や晩期残存などのため矯正装置の介入が必要な場合があります。すべての子どもに歯科矯正治療が必要なわけではありませんが、口と歯の成長に伴う潜在的な問題を特定するためにも矯正歯科医院での評価が最良です。
小児矯正治療の種類
子どもへの歯科矯正治療には、固定式または取り外し可能な装置、口蓋拡張装置、スペース維持装置などが含まれます。当院では床矯正装置(取り外し式)を主に使用します。
小児矯正治療
小児矯正治療は、お子さまの永久歯がまだすべて生えていないときに行われます。場合によっては、 小児矯正治療が始まる時点で子どもたちの乳歯の大部分がまだ残っていることもあります。
小児矯正治療では、次のような一般的な歯科矯正の問題に対処できます。
開口 | 過蓋咬合 | 交叉咬合 |
---|---|---|
隙間のある歯 | 密集した歯 | 歯の数が異常 |
お子さまが指しゃぶりを行う場合、この習慣は時間の経過とともに歯や顎の成長に悪影響を与える可能性があります。床矯正装置はこれらの問題に対処し、口腔機能を改善することができます。当院では通常、お子さまの成長にあわせて装置を修理・再製作を繰り返し、理想的な成長を支援します。
成人矯正治療
お子さまの永久歯がすべて生え揃うと、成人矯正治療が始まる方もおります。この段階には成人とあまり変わりない対応がなされます。成人矯正治療には、従来のブラケット矯正やマウスピース矯正が行われます。
お子さまが成人矯正治療を必要としない場合でも、当院では定期的なメインテナンスと経過観察を推奨しています。永久歯が生えてお子さまの成長がひと段落するまで観察を続けると安心です。
10代以降のすべての矯正治療は、成人矯正治療の枠内で対応されます。患者さんのほとんどが歯の見た目と機能を綺麗にすることに焦点を当てています。たとえお子さまが将来、成人矯正治療を希望されたとしても、小児矯正治療により大きな不正はほとんど取り除かれているはずですから、小児矯正治療そのものが無意味になることはありません。
抜歯やかぶせものが必要と言われたら
成人矯正治療は、インプラント治療の一部として行わることもあります。当院の成人矯正治療の約20%はインプラント治療の一部としての矯正治療になります。インプラント治療に限らず、かぶせもの治療や抜歯治療を検討されている患者さんは、現在の咬合関係が補綴やインプラント治療にとり最適な状況なのかどうか評価を受けることをお奨めしています。不正咬合や歯列不正がほとんどみられない口腔環境はかぶせものや欠損治療の安定性を高めますので、一度ご相談していただけたらと思います。