防虫対策でウッドチップを使う際の注意点について
現在、ウッドチップはドッグランやガーデニングばかりではなく舗装にも使われるようになっています。
さまざま場所にあるウッドチップ舗装
ウッドチップによる舗装はさまざまな場所にあります。公園や河川敷の遊歩道、学校や幼稚園の通路、また、ビルの屋上庭園の通路にもウッドチップ舗装が行われています。自然素材であり、見た目も良く、いずれも評判が良いようです。
ウッドチップによる舗装は、ドッグランやガーデニングに用いる場合のチップの敷き方とは違います。
ドッグランやガーデニングに使う際はそれぞれ適した厚さに敷くだけで済みますが、舗装に用いる場合は、敷き詰めたチップが崩れたり、風で飛んだりしないよう凝固材を使って密着させ、ある程度の硬さを持たせます。
適度なクッション性は保たれていますが、こうすることで歩きやすくなりますし、車椅子の方も通りやすくなります。
この凝固材についても研究が進められ、現在は、海水から抽出したミネラルを使う方法もあるようです。この方法ですと、ウッドチップはもともと自然素材ですし、海水から抽出したミネラルも自然のものですから、遊歩道としての役割を終えてもアスファルトやコンクリートのように産業廃棄物にはなりません。
ウッドチップ舗装のメリット
ウッドチップ舗装にはさまざまなメリットがあります。
その一つは、いまお話した自然素材であるということです。また、土の道は雨が降るとぬかるみになってしまいますがウッドチップ舗装はそうしたことがありません。木が持つ自然の風合いも嬉しいところです。
また、ウッドチップは保水性があります。そのためウッドチップ舗装は、気温の上昇を抑制するメリットがあります。気温35℃を超えるような夏、アスファルトの表面温度は50℃から60℃近くまで上がります。これが夏のヒートアイランド現象の原因にもなるわけですが、ウッドチップ舗装の表面温度は、天然芝の表面温度とほぼ同じ程度です。
そして、冬場は地熱を蓄え温かさが感じられます。
ウッドチップ舗装には防災面におけるメリットもあります。
地表をアスファルトやコンクリートで覆われた都市部では、大雨が降ると家屋浸水などの被害が出ることがあります。これはアスファルトやコンクリートに土のような浸水性がなく、水をはじき流すために起きる災害です。
この点、ウッドチップ舗装は水はけが良く、大雨や河川の増水時の水害を抑制する役割が期待されているのです。
ウッドチップはガーデニングにおいて雑草対策として用いられていますが、ウッドチップ舗装も雑草の繁殖を抑える効果が期待できます。
さらにウッドチップは主に間伐材(かんばつざい)から作られます。間伐は森林保全のために行われるものですから、ウッドチップ舗装が広がり間伐材の使用が増えることは、日本の森林を守るうえでも役立つことになります。
木の家、ウッドチップの環境保全への貢献
ウッドチップは木から作られているわけですが、そのもとになる森林の木はどのように育つでしょう?
木は光合成によって育ちます。根から水分を吸い上げ、葉によって大気中の二酸化炭素を吸収し、大きくなります。水と空気中の二酸化炭素から成長するのに必要な炭水化物(ブドウ糖やデンプン)を作り大きくなるわけです。これを「二酸化炭素の固定」と言います。
二酸化炭素(CO2)は地球温暖化に最も影響を及ぼすものですね。二酸化炭素を吸収し成長する木は、地球温暖化を抑制するうえで大切な役割を持っているのです。
さて、木造の家は、その木を使って建てます。木材となっても木が大気中から吸収した二酸化炭素はそのままです。燃やさない限り放出されることはありません。
ですから、木の家は二酸化炭素を固定している、あるいは、閉じ込めていると言うことができます。
では、木造の家一軒でどれくらいの二酸化炭素を閉じ込めているでしょう。
ある計算では、一般的な大きさの家一軒で約14トン!木造の家は地球環境保全に貢献すると言われる所以です。
ウッドチップも同じですね。二酸化炭素を吸収し、固定した木から作られています。ウッドチップ舗装が広がるということは、地球環境保全にも役立つと言えるわけです。
築100年の古民家の木材
私たち「伊藤建設」は木を愛する会社です。当社には築100年くらいの古民家の木材が保管されています。まるまる一棟そっくりです。実に立派な木材で、いつかどこかで使いたいとおもっていますが、この木材は100年に渡って二酸化炭素を閉じ込めてきたことになりますね。
ウッドチップ舗装もどんどん広がってほしいと思います。木造りの家の門から玄関までのアプローチをウッドチップ舗装にしてみるのもいいアイディアではないでしょうか。
私たちのウッドチップは間伐材から作ったものではなく、天然のヒバやスギを加工したものです。香りが良く、好評を頂いています。ぜひ、お試しになってみて下さい。