貯蓄型保険の比較方法と返戻率を上げる保険契約のコツ
貯蓄型保険とは文字通り保険と同時に貯蓄もするため、金融商品としてメリットが大きい反面、デメリットもまた無視できません。
つまりメリットをよく知りデメリットをわきまえた上で自分によく合った貯蓄型保険に加入すればメリットがデメリットに勝るのですが、そうでない場合はデメリットによるしっぺ返しを覚悟しなければならないでしょう。
貯蓄型保険には貯蓄に関わる明確な目的があってしかるべき
肝心の貯蓄型保険に加入する目的ですが「保険とともに貯金もできれば嬉しい」とか、「計算したらお得そうだと感じたから」とか、その程度では正直十分でないかもしれません。
長期にわたって少なくない額を積み立て続けるわけですし、そうでなくとも人生には波風が付き物、そんな時こそ十分な理由があって初めて積立を続けられます。
具体的には、養老保険または個人年金保険で定年後の一定の資金(満期金)を確保したいというケースや、終身保険で自分の身にもしものことがあっても残された家族が困らないようにしたいというケースがあり、このように目的が明確であれば、よほどのことがない限り、安易にこの「貯蓄」を切り崩すような愚に走ることはないのです。
貯蓄型保険のメリットとデメリットのよくある誤解
最近は利率が振るわないので貯蓄型保険のメリットは少ないと言われますが、これは資産運用という行為全体を見誤っています。
なぜなら利率が振るわないのは貯蓄型保険だけの問題ではなく、他の金融商材であってもやはり利率はそれほど振るわないのです。
もし貯蓄型保険にあてるつもりだった資産をそっくりそのまま投資信託・債券・外貨預金といった利率の高い資産運用にまわせば高リスクは避けられません。最終的に貯蓄型保険以上の利益を必ず出せるかどうかも、正直に言って誰も保証できません。
貯蓄型保険の本当のデメリットとは、商材の特徴をよく知らずに性急に契約してしまうと「後で取り返しがつかない」という点にあります。
保険を見直して切り替えるにしても、中途解約で失うことになる分は総合的に見て掛け捨て保険よりずっと大きいでしょう。
インフレリスクゆえに貯蓄型保険という逆の発想
同時に、最近はインフレリスクゆえに掛け捨て保険を安易にすすめるという傾向が強くなっています。
もちろん掛け捨て保険には、掛け捨て保険のメリットまた守備範囲があるのですが、だからといって貯蓄が不要ということにはなりません。
人生の節目節目でまとまったお金(現金)が必要になる時が必ずあるわけで、そのための貯蓄を高リスク高リターンで運用するか、それとも低リスク低リターンで運用するかを各自が決めなければなりません。
貯蓄型保険はいわば中リスク中リターンの金融商材であって、誰でも比較的安全かつ手軽に運用が可能です。
もちろん貯蓄型保険と一口に言っても商材毎に特徴があるわけですから、後で後悔しないためにも専門家に相談してから決めるのが良いでしょう。