金利が上がると貯蓄が増える、積立利率変動型保険の仕組み
外貨建預金が貯蓄に有利なように、外貨建保険は貯蓄に断然有利です。しかし、そもそもどこが有利なのでしょう? メリットがあるとすれば、デメリットはどのようなものでしょうか? そして肝心な点として、どうすれば賢く外貨建保険を活用できるのでしょうか?
外貨で積み立てるから日本円以上の利率が見込める「貯蓄」
円高の時に海外旅行に行くなら外貨つまり外国の貨幣(ドル・ユーロ・豪ドル等)をより多く両替できるのと同じように、積み立てる保険金(日本円)で円高の時に外貨を買うなら外貨をより多く買うことができ、その膨らんだ外貨を運用すればより多くの差益を見込めます。
この円安円高といった為替変動の他に、外貨であれば多くの場合、日本円より高い金利で資金(この場合は保険掛金)の運用が可能です。日本円での運用が低金利である状況にあって、外貨預金が注目されているのと全く同様、外貨建保険であれば円建よりも多くの返戻金また祝い金を見込めるというわけです。
外貨運用ゆえに増えることもあれば目減りもまたあり得る
具体的には円建の積立利率が0.2%前後の昨今、ドル建やユーロ建であれば約10倍の2%前後を見込めます。
ただしこれは返戻金や祝い金が円建の10倍になるという単純な話ではなく、円建より有利な条件での運用が可能という意味に過ぎません。
なぜなら保険会社は保険契約者から預かっている外貨建保険の積立金(つまり元金)をあらゆるリスクを想定して運用しなければならず、結果として契約者に還元できるのはリスクヘッジを十分に見込んだ残りの部分に過ぎないからです。
そういう意味では目減りは仮にあったとしても小額で、目減りによって「積立金がすべて消滅してしまう」などということはまずありません。
とはいえ、円建であれば増えていたはずの返戻金や祝い金が実質目減りしてしまう可能性は現実のものなので、十分納得した上での加入が大前提になります。
外貨建保険には外貨建預金と同様の入り時というものがある
数年前に外貨建保険が大きな話題を呼んでいたのに、その後デメリットやリスクが強調されるようになったのは、数年前まで史上まれに見る円高だったのが、政権交代により経済政策の大胆な見直しがなされて、急激な円安が生じているためです。
こうした極端な為替の乱高下は外貨による金利のメリットをほとんど打ち消してしまうほどのものであったものの、ようやく最近になって極端な円安がおさまってきたため、再び外貨建保険の入り時となりつつあります。
保険の部分を十分に確保しつつ、貯蓄の部分の一部を投資として時勢に応じ外貨建保険に振り向けるのが知恵の道でしょう。いずれにせよ専門家による十分なアドバイスが不可欠です。