食べ物だけではありません!健康で美しくなるための腸活とはー美容と健康寿命に役立つ腸活のおはなしー

中田和宏

中田和宏

テーマ:健康とはり


腸活で病気に打ち勝つからだをつくろう!



1.腸活とは


腸活とは、腸内環境を整えることで健康を維持するための生活習慣です。腸内環境は、私たちの免疫機能や代謝に深く関わっており、その健康状態が悪化すると様々な病気のリスクが高まります。
腸の状態が悪いと排便など大腸のお悩み、アレルギー疾患、慢性の痛み、気分の落ち込みや感情の乱れなどが起こるといわれています。



2.腸内環境がなぜ大事?


腸内環境がなぜ大事かというと、腸は体内の免疫細胞が最も多く存在する場所であり、腸内細菌が免疫機能や脳に影響を与えるホルモンを調整するために必要な栄養素を作り出すためです。
また、腸内細菌は代謝にも深く関わっており、消化・吸収にも影響を与えています。


腸内環境が悪化すると、腸と病気の関係が深くなり、リーキーガット症候群や低悪性度炎症(従来の検査で検出されない炎症)などの病気のリスクが高まります。
リーキーガット症候群(腸漏れ症候群)は本来便として排出されるはずの有害物質が大腸から再吸収され、からだに取り込まれれる病気です。
有害物質が再吸収される原因は腸内環境悪化により腸の壁にすきまが空いてしまうからです。

3.腸内環境悪化の原因


1)甘いものの取りすぎ


「疲れると甘いものがほしくなる」といいますが、なぜ疲れるかというと腸に隙間が空いて有害物質が再吸収されているからです。甘いものは腸内の悪性細菌のエサになり有害物質を作ってしまいます。
2)小麦製品の取りすぎ




パン、パスタ、うどん。甘いものも小麦製品もおいしいですね。小麦に含まれるグルテンのグリアジン(たんぱく質)がゾヌリンという物質になり腸の壁にひっつき低悪性度炎症を起こし、すきまを開けてしまい有害物質が再吸収されてしまいます。
3)コーヒーの飲みすぎ


コーヒーだけでなくカフェイン飲料は副腎という臓器に負担をかけ副腎疲労を引き起こし結果として甘いものや小麦製品に走りがちになります。私も飲みすぎの傾向にあるので注意しています。



これらの原因により低悪性度炎症が起こります。大腸に低悪性度炎症が起こると腸壁が腫れて吸収排せつなどの機能障害が起こります。

4.腸内環境が乱れると


過敏性腸症候群(IBS)はリーキーガット症候群の前段階かもしれません。下痢、便秘、腹痛、ガスなど、大腸の異常を訴えるこの病気は、現代医学の最新検査でも異常が見つからないと言われています。異常がないのに症状がつらい病気です。

有害物質が体に取り込まれると解毒するために肝臓が頑張りすぎてグリコーゲン所蔵がうまくいかなくなり低血糖による疲労が生じます。また副腎疲労も起こります。
大腸の異常のほかに、脳に有害物質が運ばれるとうつ、発達障害や認知症の発症に関係しているといわれています。
免疫の異常としてアトピー性皮膚炎や関節リウマチ(近年原因菌の研究が行われています)などが指摘されています。
精神的な問題として。やる気が出ない、楽しくないなどの気分の落ち込みがあります。
慢性の痛みの多くは原因不明です。うつや腸から脳に伝達されるホルモンの影響があるといわれています。逆に脳から腸へストレスをかけるよう指令が出てしまうこともあり、腸で作られる痛みを起こす物質が問題視されています。

5.そのメリット


腸活を行うことで、腸内環境の改善による健康効果が期待できます。腸内細菌のバランスが整い、免疫機能や代謝が正常化されるため、健康維持や美容効果、ストレス緩和などが期待できます。

6.やり方


腸活のやり方には、以下のような方法があります。
1)食事:腸活には、良質なたんぱく質、野菜、果物、発酵食品などを積極的に摂取することが大切です。和食が良いとされています。一方、小麦、加工食品やアルコール、砂糖などは避けるようにしましょう。また、ファスティングや酵素飲料、サプリメントも腸活に取り入れられます。


〇良質なたんぱく質:肉類、魚介類、牛乳・乳製品、卵類や大豆・大豆製品などです。お肉類はできるだけ国産のものを食べましょう。加工品は外国のお肉を使っていることが多いので注意してください。ブラジル産の鶏肉はホルモン剤が大量に使われているためカナダ政府が輸入禁止にしました。大量の鶏肉はその後日本に回ってきているかもしれません(推測です)。



〇発酵食品:ヨーグルトは動物性のビフィズス菌、納豆や麹づけは植物性ビフィズス菌です。日本人には植物性がいいでしょう。発酵食品は一日一回食べるようにしましょう。





〇野菜:サラダで食べるか煮物や温野菜として温めて食べるのがよいでしょう。



〇調味料:ドレッシングやお醤油、お味噌には小麦が使われているものがあります。成分表を見てできるだけ小麦の摂取を控えましょう。

〇小麦:3000年前からコメを食べていた日本人。米を体づくりに使うよう遺伝子に刻まれているのに、戦後約80年で小麦を多く食べるようになりました。これではからだがびっくりするのも無理はありません。小麦グルテンの問題が言われており主食を米に戻すことが腸活の第一歩です。うどん、パスタ、ピザにパン。おいしいものばかりですが、現在何かの病気でお悩みがある場合は小麦の摂取はやめた方がよいでしょう。完全に食べないことは無理ですのでできるだけ減らすことから始めましょう。



〇砂糖:上白糖は体内でブドウ糖の形で吸収され、ビタミンB群の助けをかりてエネルギーになりますが、摂りすぎるとビタミンB群が不足したり、糖反射(胃腸の働きが一時的に止まる、便秘になる)が起こり、胃腸に負担がかかることが報告されていますアインソフより引用)。


「体にいい砂糖」とは、未精製で栄養価が高い砂糖のこと。黒糖・きび砂糖・てんさい糖・パームシュガーといったさまざまな種類があり、精製されていないことによるナチュラルな甘味と茶色い色味が特徴です(Mybestより引用)。おススメは近所のスーパーでも購入できるてんさい糖です。茶色で上白糖より甘さが少なくおいしいので使い過ぎに注意です。ヨーグルトにかけたりお料理に使ったりするとよいでしょう。

〇ファスティング:断食という意味ですがまったく食べないというわけではなく、ポピュラーな方法として16時間ファスティングが知られています。腸を休めて回復を助ける方法です。一日のうち食事や間食ができる時間帯を8時間以内と決め、残りの16時間は固形物を食べないというやり方です。朝食を抜いてお昼ごはんを食べてから8時間以内に晩御飯やおやつを食べ、翌日のお昼まで食べないという方法が一般的です。ファスティング中はジュースなどのカロリーのあるものは控えます。無糖のお茶やコーヒー、一番良いのは白湯です。最初の数日はしんどいかもしれませんが慣れてくると全然平気になります。ファスティングは少なくとも3カ月は続ける必要があります。できれば生活習慣にしてずっと続けるのがよいといわれています。どうしても続けられないという人には3日続けて1日休むやり方があります。ファスティングのお休みの日は一日好きなものを好きな時間に食べて良いという方法です。

〇酵素飲料:ファスティングの際に併用する方法として知られています。食前に酵素飲料を飲むことで酵素などの栄養を吸収しやすくします。

〇サプリメント:乳酸菌などのサプリメントはWebやテレビで盛んに宣伝されていますので腸活の補助としてならいいでしょう。基本は腸の機能を整えることと健康的な食事です。



2)運動:適度な運動は腸内環境を整えるためにも重要です。筋トレ、ストレッチ、ウォーキングなどがおすすめです。

〇ウオーキング:週3回程度、30分~40分。音楽を聴きリラックスしながら行いましょう。スマートウオッチを使うと心拍数や血中酸素濃度、血圧が分かるので参考にしながら歩くとはかどります。
①筋トレ:腸腰筋をきたえましょう。プランクをします。1分から2分がんばりましょう。


②ストレッチ:大胸筋と腸腰筋のストレッチが有効です。




3)鍼灸:鍼灸によって自律神経を整えることで、腸内環境を整えることができます。腸内環境は食物だけでは整いません。低悪性度炎症を改善させ自然な腸の働きにもどすために鍼灸が必要です。
鍼灸は古来より腸を大事にしてきました。食べたものを胃で消化し腸で吸収することが分かっていました。腸の吸収力をアップさせ、腸から吸収した栄養を効率よくからだ全体に回すための治療を重要と考え、その方法を発展させてきました。腸が元気なら病気は治ると考えていたのです。そのためには定期的な施術を繰り返し、刺激による自律神経バランスの是正を行います。
鍼灸治療の対象となる症状はいろいろありますが、その症状が起こっている原因の一つに腸の問題があるとしたら、症状だけでなく腸をしっかり治していかないといけません。症状が楽になったとしても腸が健康になっていなければ症状が再発してしまいます。そのため施術だけでなくご自宅でしっかりと腸活をしていくことが大事です。

4)自宅でできるつぼマッサージケア:朝起きた時と寝る前に実践しましょう
①血海(けっかい)穴と梁丘(りょうきゅう)穴
膝のおさらの上5cmのところ。親指と人差し指でマッサージします。ごしごしと10回こすります。
②曲池(きょくち)穴
手陽明大腸経の肘のつぼです。円を描くように優しくぐりぐり10回もみます。
③おへその周りのマッサージ


手のひらを使って右→上→左→下→右と軽く圧をかけてゆっくり回しながらマッサージします。手のひらは必ず暖かくしておいてください。
5)お灸:火傷にならない台座灸を使います。
①三陰交(さんいんこう)穴はうちくるぶしの上のすねの骨の際にあります。毎晩1個ここにお灸します。

5.腸活の効果判定


腸内環境の改善には時間がかかるため、腸活を行ってから劇的な変化を感じるまでには数ヶ月から半年程度かかる場合があります。腸内環境の改善に伴い、お通じの改善や肌の調子がよくなるなどの効果を感じることができます。
何事も「辛抱我慢」「継続は力なり」です。

6.継続して生活習慣にするためには


継続して生活習慣にするためには、以下のポイントが大切です。

  • 目標を明確にする:何を改善したいのか、どのような目的で腸活を行うのかを明確にしましょう。
  • 少しずつ取り入れる:一度に全ての腸活を行おうとせず、少しずつ取り入れていくことで継続しやすくなります。
  • ルーティン化する:腸活を生活習慣に取り入れるためには、ルーティン化することが大切です。毎日同じ時間に食事をとる、運動するなどの習慣を身につけると良いでしょう。まず3か月続けることを決めて(紹介したもの全部しなくてもいいです)実行しましょう。
  • 自分にあった方法を見つける:腸活には様々な方法がありますが、自分に合った方法を見つけることが大切です。自分に合わない方法を続けることはストレスになるため、適度なバランスを保ちながら取り入れることがポイントです。
  • 楽しむこと:腸活を行うことがストレスにならないように、楽しむことが大切です。自分の体調や状況に合わせて取り入れ、健康的な生活を楽しみましょう。


7.さいごに


当院では、一人一人に合った腸活をご提案し、「腸活シート」を作成して記録しながら効果を上げていくことを行っています。腸活は健康のために行います。その中には病気や症状の改善だけでなくダイエットも含まれ、生活習慣病の予防にも通じます。
今までの生活態度を見直して、将来の幸せのために腸活をしていきましょう。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

中田和宏
専門家

中田和宏(鍼灸師)

トキの森鍼灸院

初診時のカウンセリングでどんな状態か明確にし、できることを説明します。施術計画を立てて最適な施術を提供します鍼灸治療にたずさわって約40年のベテラン鍼灸師が優しく対応しますお困りならまずご相談を!

中田和宏プロは北陸放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

つらい痛みを軽減し、心身の健康を導く鍼灸のプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ石川
  3. 石川の医療・病院
  4. 石川の鍼灸院
  5. 中田和宏
  6. コラム一覧
  7. 食べ物だけではありません!健康で美しくなるための腸活とはー美容と健康寿命に役立つ腸活のおはなしー

中田和宏プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼