【日本のしきたり】畳の縁を踏んではいけない理由と由来 話し方・マナー講師永田之子

永田之子

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■元アナウンサーの話し方&マナーの個人レッスン「TALKNAVI」 西宮北口駅徒歩1分
https://mbp-japan.com/hyogo/yukimigoro/service1/5000153/

こんにちは。永田之子です。

マナーの所作や動きというかたちを覚える前に理由を知ることはそのマナーや所作をより理解するためのための「動機」になります。

Q.1つ質問を受けました。

「畳の縁を踏んではいけない理由はなんですか?」。諸説ありますがいくつかご紹介しましょう。

・相手を侮辱しないため
・序列を重んじるため
・敵から身を守るため
・縁を傷めないため
・転ばないようにするため

もう少し、詳しく説明していきましょう。

【相手を侮辱しないため】
江戸時代の武家社会や仏閣では「紋縁」(もんぶち)と言う家紋入りの畳縁を使うようになりました。色や柄、模様なども身分によって違いがありました。色鮮やかな繧繝べり(うんげんべり)、高麗べり(こうらいべり)、紫縁・黄縁と順位が下がり、位を持たない庶民は縁なしの畳を使用する時代もありました。家の格式や権威を重んじる武士にとって「家紋を踏まれること」はご法度だったのです。相手を「侮辱する行為」とみなされました。

【序列を重んじるため】
武家屋敷では地位によって座る場所が変わりました。その上下の境となったのが畳縁です。アジア特有の思想に「結界」があります。主人と客。上座と下座の境となるのが結界。聖域に立ち入ることになるこの結界を踏む行為は、序列を無視した無礼な行為となるのです。

【敵から身を守る】
武士はいつ命を狙われるかわかりません。畳と畳の間から漏れる光、床上の人物の存在を確かめ刃物や槍を差し込まれやすくなります。その縁にあるのが畳縁です。畳縁は危険な場所となったわけです。

【縁を傷めないため】
縁の素材は絹、綿、麻など畳より弱い素材でした。また染色は植物染色でしたので擦れると色落ちがします。刺繍を施した繊細な物も多くありました。畳縁を踏むと生地が痛むのです。

【転ばないようにするため】
縁は畳よりやや高くなっています。また新しい畳にすると時間経過により、畳と縁の重なりの部分に反りが出ることがあります。踏むとつまづいて転ぶ危険があります。

以上の理由で「畳の縁は踏んではいけない」と言われるようになりました。今では意味をなさない理由もありますが「畳の縁は踏まない」というしきたりは現代でも伝承されています。

私たちが和室に招かれたとき、華道や茶道のお稽古のときなどに、日本人が受け継いできたこのようなしきたりを重んじることは、今でもそれを大切に考えている方たちへの気遣い、心配りになります。

不要なものは歴史と共に淘汰されていったわけですから、今でも受け継がれていることにはきっと意味があるのです。その意味を考えながら歩くと、畳を通して足の裏にずっしりと今までと違った感覚を覚えます。

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■永田之子 YUKIKO NAGATA
元アナウンサー。話し方&マナー講師、コミュニケーションカウンセラー、婚活カウンセラー。全ての世代の人に「心と心をつなぐ会話」のコーチングをを20年間で10,000人に提供。
「人と楽しく話せるようになる」ことでコミュニケーションに貢献。話し方&マナー教室「TALK NAVI」代表。神戸、関西、近畿エリアを中心に全国からの受講生が集まっている。

■ホームページ→http://talknavi.jp

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永田之子
専門家

永田之子(会話&コミュニケーションマイスター)

TALK NAVI

アナウンサーとしての経験と国際儀礼資格によるマナー知識を活かし問題を解決。クライアントに寄り添う丁寧な個人指導に定評がある。セミナー・研修・講演会活動のほか本の監修も行っている。

永田之子プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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