天才キッズを育てる方法

里見郁子

里見郁子


天才キッズを育てる方法

子どもを持って親になると、やはり我が子の将来をついあれこれ案じてしまいますね。
「ふつうでいい」と思いながらも、「もしできる子になってくれたら」と願ってしまうのが親の欲です。でも「子どもは親が与えた環境の中で育っていく」以上、親が意図して与えなければ、我が子になにかのチャンスが天から降ってくることなどないのです。ここは「親バカ」になり、我が子にチャンスをたくさん与えてみようではありませんか。


「天才キッズを育てる方法」は、「自分が天才児の親になる方法」です。


わたしが専門である英語教育の場で見てきたことと、我が娘を育てている現状で感じたことから、「天才児の親」と呼ばれるお母さま、お父さまには共通する点があるように思います。いくつかをあげてみたいと思います。

①視点がながいこと。

我が子がおさないころは「なにが向いているのかわからないから、とにかくあれこれ本人がしたがることをさせてみる」という声をよく聞きます。一見積極的に子どもの才能を見極めようとしているように見えますが、半年や一年やってみて、飽きたり難しくなってくじけたりした子どもが「やめたい」とぐずると、すぐにやめさせてしまうのは逆効果です。
「うちの子には向いていない」のではなく、「だれもが出会う最初の壁でくじけそうになっているだけ」です。どんな分野でも、専門家である指導者は子どもが「たのしく始められる」よう配慮していますが、前へ進ませるにはどうしても覚えてほしいこと、身につけてほしい技術がでてきます。それがだいたい習い始めてから半年ないし一年くらいで遭遇する壁です。「我が子が少しでも嫌そうな顔をするとすぐにやめさせる」をくり返すと、「やめぐせ」がつき、結果なにをさせても「もうやめる、おもしろくない」という言葉を子どもが口癖にしてしまう悪循環になります。「向いている、向いていない」以前の問題です。一方、天才児の親は、あわてずさわがず、我が子がその最初の壁を乗り越えるのをじっと待ち、陰でそっと支え、見守ることのできる「視点の長さ」を共通してもってるようです。

②親も努力していること。

我が子だけにあれこれ押しつけて、親の自分はお菓子を食べながらテレビを何時間も見ているだけ――ではとうぜんダメです。我が子を専門家に預けて、親の自分はまったく知らん顔というのもダメです。専門家の指導にいちいち口出しをするのは好ましくありませんが、スランプに陥った我が子を支えられるのは親だけです。そのためにも、我が子が取り組んでいることに親も興味を持ち、積極的に関わり(練習相手になる、相談相手になる、一緒に調べものをするなど)を持ち、我が子がひとりぼっちで戦わされている(取り組んでいる)わけではないことを態度で表現してあげることが大切です。
もしそれが自分には無理だと思われるなら、あなたは「天才児の親」には向いていないかもしれません。
天才児の親は、自分がお手本として完ぺきにはできないとしても、とにかく努力している姿を我が子に見せようとしています。できなくても、まちがえても、下手でも、失敗してもかまいません。「親が一緒にがんばってくれている姿」が、子どもを元気づけるようです。

③指導者と我が子の両方を信頼していること。

天才児にはたいてい指導者の立場の大人がついていることが多いですね。勉強や習い事ならなおさらです。とうぜん指導者もそれなりにすばらしい人でしょう。指導年月が長くなってくると、「この先生、大丈夫かしら」「この子には才能がないのかしら」と思うときがあるかもしれません。そういうときは折をみはからって指導者の方に相談してみるといいでしょう。ですがまちがっても我が子の前で指導者の方を見下したり、我が子の才能を否定するようなことは口にしないべきです。親が否定的な気持ちを持つと、それはおのずと相手に伝わります。
天才児の親は、多少のことではガタガタせず、指導者と我が子の両方を信頼してどっしりと構え、深く長い考え方で対処しているようです。そんな親の態度に安心するらしく、子どものほうも次第に落ち着いてきて、再びがんばりはじめる、伸びはじめることもすくなくありません。カリキュラムどおりに進んでいく人生はありません。晴れの日も雨の日も、風の日もあって、はじめて実りがあるのと同じですね。

④価値観をきちんと教えていること。

天才児ともなれば、世間の目もちがいます。「天才児はやっぱりちがうね」の言葉を聞きなれた結果、まわりの人を見下しているようではさびしいですね。天才と呼ばれるその才能は、自分を誉めてもらうためのものではなく、みんなの役に立って喜んでもらうためのものです。
天才児の親ともなれば、「まわりを見下して、ひとり孤独に生きる天才の我が子」にならないよう、まずはしっかりした価値観を教えることが大切です。我が子が取り組んでいる物事だけが世界のすべてではありません。世界は広く、たのしく、わくわくすることで満ちています。たくさんのことに興味をもたせ、どんなときも前向きな姿勢で歩いていくことの大切さも教えておきたいものです。他人を尊重できると、それが自分へのより一層の尊敬となってかえってくることや、お金や地位だけではないしあわせもあることも伝えてあげてください。
「天才児」は大人ではなく、まだ子どもです。たくさんの人に愛される天才児であることは、その子にとってもしあわせです。天才児の親は、我が子もまたふつうの子であることをよくわきまえているようです。だからこそ我が子が幼いうちにしっかりした価値観を教えているのでしょう。

⑤我が子のしあわせをなによりも願っていること。

なにかに秀でた天才児ともなれば、とうぜんその「なにか」に膨大な時間とエネルギーを費やしているはずです。その結果、子どもらしい遊びや考えやゆとりを失っているかもしれません。今我が子が一生懸命になにかに取り組んでいる姿に安心して、大切なものーー毎日の生活の中でのよろこびや、感謝の気持ち、人にたいするやさしさと思いやりなどを失っていないか、気をつけて見てください。
なにごとも簡単にやめさせないほうがよいと言いましたが、生きるよろこびや日々のしあわせを我が子が感じられないようになっているなら、親として決断しなければならないでしょう。天才児の親になる前に、不幸な子の親になってはいけません。
いつでも「しあわせ」を最優先にしてください。


5つほど書いてみましたが、いかがでしょうか?
天才キッズを育てるには、まず自分が天才児の親にならなければならないこと、まず親が努力しなければならないことが大切だと思います。
私事ですが、我が娘は天才というほどではありませんが音楽が得意で、10歳のときその道に進もうと決意しました。それから2年が過ぎましたが、ほんとうに一生懸命取り組んでいます。ありがたいことに、「自分が音楽家になるのは、世界中のたくさんの人を自分の音楽でしあわせにしてあげたいから」だと言っています。忙しい日々の中で福祉施設などへ度々ボランティア演奏に行き、聴いてくださった方が泣いてくださるのを見て、ますます音楽家になりたいと胸を熱くしているようです。ときどき親のわたしはひそかに娘の小さかったころを思いだしています。あのころは親も必死だったなあと。今ではいい思い出です。
みなさんのお子さまはどんな未来を描いていますか?




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里見 郁子 英会話スクール&サロン THE QUEEN'S Manor 主宰
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