戸建て住宅耐震リフォーム その9
久しぶりの更新です
最近はマンション管理士の試験勉強を理由にサボっておりました…
しかし本番を来週に控え、もはやまな板の上の鯉となり早くもあきらめの境地に達しています。
さて今日は垂水の戸建て住宅にお邪魔して、ダイニングと和室の間仕切り壁(袖壁)を取りたいのですが可能でしょうか?とのご依頼を受けて調査を行います。
最近よくあるご依頼ですが、木造軸組工法(いわゆる在来工法)の場合、その壁が耐力を負担していなければ取ることは可能ですし、必要な補強を行うことによって柱を無くすことも可能です。
今回のケースでネックとなる可能性があるのは『筋交い』の有無です。
『筋交い』とは柱と柱の間の対角線に入れる補強材で、主に地震や台風などの水平力に抵抗します。
そのため壁にこの筋交いが入っている場合、構造上必要な壁ですので基本的には取ることはできません。
(構造計算によって必要な補強を行えば取ることは可能ですが、他の部分に新たな壁ができたりします)
今回、新築時の設計図がありませんでしたので、現地で調査することになりました。
まず右側(右下から左上へ)の筋交いの有無を調べます。
「右下」の筋交いが入っているであろう部分にコンセントがありましたので、コンセントを外して確認します。
その結果…「右側」には筋交いは入っていませんでした。(これはお家の方でも確認できます)
次に「左側」の筋交いの有無を調べます。
これにはいくつか方法がありますが、今回は2階の和室の床下(1階の天井裏)から確認することにします。
この方法は構造体を目視にて直接確認することができ、壁や天井の仕上げを一切傷めずに済みます。
まず和室の畳をめくり、床下地のベニヤをカットして点検口を設けます。(必ず下地の位置に合わせます)
そして、点検口から恐る恐る天井裏をのぞくと…
ありました!見つけてしまいました!
当然入っていないことを期待していましたので、お家の方とガックリ…
これで計画は白紙に戻ってしまいました。
壁を取ることは出来ませんでしたが、今回のようなケースでも通風や採光、また視覚的な広がりを持たせたいといった場合、あえて筋交いだけを残して壁を取ることもできます。
筋交いや梁といった「構造体」をあえてそのまま見せることで、お部屋のアクセントとなる場合もあります。
『家』は命を守る大切な財産ですので、リフォームの際はしっかりと事前調査を行うことをおススメします。