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戸建て住宅耐震リフォーム その4

森本薫樹

森本薫樹

テーマ:戸建て住宅耐震リフォーム


今年初めての更新です。
本年も何とぞ宜しくお願い申し上げます。m(__)m

長田区の戸建て耐震リフォームです。
1階床の解体が終わり、いよいよ基礎の補強工事が始まります。

前回、基礎の中に鉄筋の入っていない「無筋基礎」であることが判明し、さらにひび割れが多く見られましたので、まずは建物の土台となる基礎を補強することで耐震性能を高めることにしました。


既存住宅の場合、鉄筋コンクリート造の基礎を新たに打ち直すことがほぼ不可能であるため、既存の無筋コンクリート造の基礎に鉄筋コンクリート造の基礎を抱き合わせることにより補強します。

今回、基礎の外部側は敷地境界まであまり余裕がありませんでしたので、基礎の内部側へ抱き合わせることにしました。
またそうすることで中央部分の基礎についても補強することが可能になります。


補強方法については、耐震改修促進法に基づく国土交通大臣認定の「木造住宅の耐震診断と補強方法2012年改訂版」に準拠して実施します。


まず抱き合わせする既存基礎の横を、基礎のベースが出てくるまでスコップで掘っていきます。


これで鉄筋コンクリート造の基礎を抱き合わせするスペースが出来ました。


次に既存の無筋コンクリートの基礎にアンカーを打設し、基礎の鉄筋を組み立てていきます。


アンカーは通常のもの(打ち込んで先が開くタイプ)では引抜強度が確保できないため、ケミカルアンカーという樹脂によって接着させるタイプのものを用います。


既存基礎に打設したアンカーに、直径13㎜の鉄筋を30㎝間隔で組み立てていきます。


建物中央部分の基礎や、コンクリートブロック基礎の部分にも補強の鉄筋を組み立てます。


基礎の間隔が狭く、基礎自体が無くなっているような部分には両側にアンカーを打設して補強します。


鉄筋の組み立てが終わると、コンクリートを流し込むための型枠(かたわく)を組み立てていきます。


型枠の組み立てが完了しました。
コンクリートの圧力で膨れたり外れたりしないよう、つっぱり等でしっかりと固定します。


いよいよ生コンクリートの打設です。
敷地と前面道路に高低差があって大量のコンクリートを運び込めないため、ポンプ車を使用します。


ポンプ車から送られてきた生コンクリートを型枠の中へ流し込んでいきます。


途中、バイブレーターでまだ固まらないコンクリートを振動させて、型枠の隅々まで充填させていきます。


これは新築の場合でも非常に重要な作業であり、しっかり充填出来なければ所定の強度が得られません。


生コンクリート打設修了後、まだ固まらないうちに基礎の天端をコテで平滑に均していきます。


これで基礎の補強工事が完了しました。
この後2日程度の養生期間を置いてから型枠を解体し、周りを埋め戻して大工さんへとバトンタッチします。

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森本薫樹
専門家

森本薫樹(一級建築士)

株式会社リフォーム計画室

間取りや内装リフォームの他、住まいの耐震性や耐久性、断熱性など建物の基本的な性能を高めることで耐久年数を上げたり資産価値向上にも尽力。既存住宅の活用していくために依頼主の声から問題の解決を目指します。

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