小叩き仕上げのお墓
以前、私の友人からお墓のメンテナンスについて相談を受けました。同じように悩まれている方、ぜひ参考にしてみてください。
相談の内容はお墓参りに行くたびに「一番下の大きな台だけ汚れが取れにくい」というものでした。
文字が彫ってある『仏石』と、その下の台『上台』は磨いてあるのに一番下の台『下台』だけザラザラしている?とのこと。「40年前に親父が頑張って作ったお墓なので、きれいにして守っていきたい」と友人の思いを聞きました。
早速お墓を確認に行きました。なるほど、昔ながらのよくある作り方です。墓石全部を同じ石で作ると値段が高くなるため、一番目立たない台石だけ安価な石にしてあるのです。しかも、更に価格を抑えるために磨かずに使うのです。こういった加工は昭和40年代までは、よく見かけました。
そこで、
提案1.今の台石をもう一度研磨して使う。
提案2.既存の墓石と同じ石で新しくする。
という提案を友人にたずねたところ「プロから見たらどちらか良いの?」と聞かれました。
もちろん、提案1の方が費用は抑えられます。しかし、この先後悔だけはしてほしくなかったので私は提案2の同じ石で新しく作ることを勧めました。
昭和40年代は、京都から福知山、丹波の地域は愛知県岡崎市の石が多く使われていました。友人のお墓も岡崎市から採掘している「宇須石」と言われる石が使われておりました。この石は現在も庭灯籠などには、よく使われている石です。
この写真は、宇須石の原石を切っているところです。直径1.8mの円盤の刃にダイアモンドが付いたもので『大口径』といいます。
切断が終われば、7~9工程ある研磨作業になります。続きは次回に書きます。