コラム
小叩き仕上げのお墓
2022年2月8日 公開 / 2022年2月25日更新
今回は久しぶりに小叩き仕上げのお仕事をいただきました。
昭和の初期までは「小叩き仕上げ」で加工したお墓が多く見られました。それは、小叩きで仕上げることが石屋としての目一杯の仕事だったからです。それを最終的に磨くとなると途方も無い時間と労力が掛かったからです。
今の石材加工の工程はというと、
1.切削機で切削
2.グラインダーでさらに削る
3.研磨機で磨く
となります。しかし、昔の工程では、
1.はつり
2.ノミ切り
3.ビシャン
4.小叩き
となります。ここから磨くとなれば、砥石を使って人力でゴシゴシとなるわけです。
現在では機械化が進み、ピッカピカに磨く方が楽になりました。ですから、手間のかかる小叩き仕上げは、ほとんど目にすることがなくなりました。
さて、小叩き仕上げとは・・・
石工の道具であるタタキを使って、約1ミリ程の間隔で細かく叩いて仕上げる工法です。
こんな道具を使ってひたすら叩きます。
この手間のかかる昔ながらの工法で石を叩くととても味わい深いものになります。
特にお墓などを作ると、古くなればなるほど侘び寂びが出てきます。
今回のお墓がこちら。
香炉にもこだわりました。
どっしりとした形で、文字を刻むところも額縁のように彫り込み(カト入れ加工)、水皿の部分は蓮の花をかたどっています。
もちろん使用している石は香川県の庵治石です。10年後、20年後が楽しみです。
関連するコラム
- 磨いた墓石と磨いていない墓石の違いは? 2017-03-24
- 神池寺の階段の修理 2022-03-11
- 庵治石の話 2017-01-06
- 手水舎の紹介 2022-02-16
- 自然石に彫刻 2022-02-04
カテゴリから記事を探す
森田茂樹プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。