柏原八幡宮「石橋改修工事」
台風で倒れた鳥居の修理を行った時の様子です。
この鳥居は、寛政13年(1801年)で今から221年前に建てられたものです。過去にも倒れて修繕されている箇所がいくつかあります。その辺りもこの度は手直しをしていきます。
こういう仕事をするのに昔と大きく違うことがあります。それは、接着剤と加工道具の進化です。
接着剤は、20年ほど前からエポキシ系と言われるものがあります。一度接着すると10トンの力を加えても外れない強度があります。実際に石材をつなぎ合わせてしまうと外そうにも外れません。無理に外そうとすると石が壊れてしまう程の強度があります。
また加工道具もかなり進化しています。とくに石材の加工で穴を空けることは非常に大変で、ノミで掘れる深さは頑張っても10cm程度でしたが、今は電動ドリルやコア抜きバーナー等の機械があるのでとても便利です。
さて、鳥居の柱が折れている箇所は、それぞれの柱に30cmほどの深さの穴をあけて、そこに長さ60cmのステンレスの棒を差し込み、接着剤で繋ぎ合わせて修繕完了となりました。また欠けている箇所は同じ石を接着して、当時と同じ加工で仕上げました。
同じ石種の石を接着します。
ノミ切り加工を行います。
完成です。
文化財や昔の手作りの作品を修繕するときは、当時の職人さんのスゴさを感じながらやっています。新しい物はなんでも便利で良いものばかりですが、昔の手作りの作品は長年の汚れも蓄積していてなんとも趣のある作品だと思います。