裁ち鋏は研ぎ直せますか?費用はおいくらですか?
アルス植木鋏ロングタイプと剪定鋏S型8インチ
アルス植木鋏ロングタイプU-600Lは軽量220g(カタログ値)です。私の手元にある刃先に本刃を付けた岡恒植木鋏A型ロング90の重さを測ったところ268gでした。48gの違いですが、手に取るとアルスの植木鋏はかなり軽く感じます。
鍛造刃で強くしかも軽いのですからプロの現場で使う方から人気があるのも当然と言えるでしょう。アルス植木鋏ロングタイプの強さに関してですが、現場で頻繁に鋏を使うプロの方ですから植木鋏を落としてしまうこともあるでしょう。
それでも鍛造刃だからか私のお客様の中で切っ先の折れたアルス植木鋏ロングタイプを見たことがないです。剪定鋏S型8インチも鍛造刃で刃の開きが大きく強くてスムーズな剪定作業が行えることで人気があります。
アルス剪定鋏S型8インチは岡恒剪定鋏ユニーク200m/mと同じタイプで打ち合いゴムが付いてないので、切断時におこる手や腕への衝撃があるかと思われます。
お客様の中には手を痛めるという理由でこのタイプの剪定鋏を使われない方もおられますが、今回アルス園芸鋏を研ぎ直しに出されたお客様は手や腕への衝撃は気にならないそうです。
研ぎ直し作業を行います
2本の刃を止めてあるボルトは基本分解しません。特に剪定鋏の場合はそうです。理由はゆるみ止めになっているボルトを無理に外して分解し、研いだ後組み立てる時ボルトの締め加減が難しく、供回りしたりしてしまうからです。
汚れや錆を落とします
使う道具は主に耐水ペーパーです。番手は400番位を使っています。
砥石を使って完全手研ぎで研ぎます
完全手研ぎの宮村流基本研ぎで研ぎ直します。基本研ぎは砥石に刃を45度の角度で研ぎます。
宮村流表の法則で研ぎます
この研ぎ方は刃の裏ではなく刃の表を研いで研ぎ終える研ぎ方です。鋏だけでなく他の刃物、例えば包丁でもそうですが、多くの方が刃の裏を研いで研ぎ終えておられますが、私は刃の表を研いで研ぎ終えます。
それでこの研ぎ方を宮村流表の法則と呼んでおります。
砥石で研ぐ目的は刃を薄くするためではなく、刃先に切るための刃を付けるためです。ここで砥石が大切な役割を果たします。使った砥石の刃が付くわけですから。
荒砥石から中砥石、仕上げ砥石を使い刃を付けていきます。
今回研ぎ直したアルスの園芸鋏はどちらも鍛造刃で硬いです。そういう理由でかもしれませんが鋏を機械研ぎしている人が多いです。この度の植木鉢も機械研ぎされたように見えました。機械研ぎは速くて便利です。刃の減り具合と、研削熱を気にしなかったらですが、、、、、。
研ぎ上がりました!後は試し切りして良ければ油引きして研ぎ直し終了です。
研ぎ上がった鋏を見てお客様の顔が喜びの笑顔になることが楽しみです。
動画もご覧ください。