国語力に凹がある場合は、英語学習を急ぐ必要なし!

木村知子

木村知子

テーマ:発達障害児の英語学習

英語の発音

英語より国語が大事!

私は子どもに英語を教えているので、英語の早期教育は必要なし!と言ってしまうと自分のしていることに矛盾が生じるかもしれません。でも本当に焦る必要はなくて、特に国語につまずきがある子どもたちには国語学習の方が重要なのでそちらを優先してほしいと思います。英語はそれからでも全く問題ありません。国語の力がないと英語の力は伸びないので、そういった意味でも国語の力はとても大切です。

せめて日常の英会話ぐらいは可能か?

子どもに英語を習わせる理由としてよくあるのが、親が自分は英語を話せないから子どもには話せるようになってほしいというもの。英語の先生あるあるの一つに、英語力は一度身につけると一生モノみたいに思われることがあります。しかし実際には全くそんなことはなく、サボると英語力はすぐに落ちてしまいます。英語力を維持するためには筋トレのように毎日練習をしなければなりません。日常で英会話をする機会がない場合、人為的な発話のトレーニングが欠かせませんし、プロの方は毎日英語につかる生活をされていると思います。

子どもにそれほどの英語環境を作ることは難しいですし、いくら子どもの聴覚や発音に柔軟性があると言っても、一週間に一度教室に通う程度の英語学習ではせいぜい慣れ親しむのが関の山です。ただそれでも英語の音を丁寧に指導してくれる英語教室に何年も通い続けると、英語の勘、英語耳が育ってくるのは事実です。それは子どものすごさだと感じます。そういった意味では小さいころからの英語教育に意味がないわけではありません。お子さまが当該学年相当の国語力を持つ場合は英語学習も子どもの負荷にならない程度に進めていくといいでしょう。

言葉の基礎は「音」

母語にない音は1歳ごろに脳から消えてしまうと言われています。Rの音に代表されるように、英語の音の多くは日本語にはありません。そのため大人も子どもも英語の音は新しい音として音素(音の最小単位)から一つずつ学ぶ必要があります。単語も知らない、音素も知らない、音と文字のルールも知らないのに単語を読めるのは奇跡的で、高学年以降の子どもたち、大人たちにとってそれはローマ字教育のおかげと言えるかもしれません。一方でそれが音認識の弊害になるという見方もありますが、使える知識は総動員するのが第二言語習得への近道でもあります。
言葉の基礎は音です。この音習得を外して言語学習は成り立たないので、英語学習を成功させたいと思われる方はぜひ音習得にチャレンジしてくださいね。

発達障害児の英語勉強法

さて、発達障害児、自閉症児、知的境界の子どもたちに英語をマスターしてほしいと願われている親御さんにはまず、子どもに日本語の力をつけてあげてほしいと思います。そして、日本語の力が伸びてきたら、次に英語の読み書きではなく英語の音の習得にトライしてみてください。子どもには英語の歌、具体物の単語(penなど)、日本語になっている英語(bananaなど)などの英語シャワーどんどんを浴びてほしいと思います。そしてそれらを子ども自身が発話できるようになったら、英語の読み書きのルール、文法のルール習得へとステップアップしていきます。日本語の力をつける→英語の音を聞く→英語の音を発音する→英語のルールを覚えるの順番です。

英語の音素、ネイティブにも通じる発音を教えてくれる先生は少ないので、もし見つけれらなかった場合はまちるどでの指導も可能です。ぜひご相談ください。

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