発達障害児の子育てに限界を感じるママたちへ

木村知子

木村知子

もう限界…。
子どもの癇癪、フリーズ、会話が成り立たない。
忘れ物は多いし、宿題はやらないし、
学校でもトラブル続き。

本当に大変。本当に辛い。
もう無理…と毎日泣き続けるだけ…。

どうやったら今の生活が終わるのか。
どうやったらここから抜け出せるのか。

今がとても辛いママは自分の世界が真っ暗闇に見えていると思います。
出口が見えなくて、この生活が一生続くかもしれないと絶望すら感じているかもしれません。

そんな辛い状況から抜け出すためにできること。

それは
「たくさんの人と一緒に子育てをする!」
です。

ママが一人で子育てしない!

まずはママが一人で子どものお世話をすることを本当にやめてほしいと思います。どんな子育てでも大人が二人いると、そのしんどさは心身ともに半減どころかもっともっと負担が減ります。乳幼児のワンオペ育児がしんどい本当の理由もここにあります。大人が二人いれば乗り切れることも一人でするのはとてもしんどいのです。発達障害児の育児も同じです。ママと子どもに関わってくれる大人を増やしましょう。

ママと子どものサポートチームを作ろう!

発達障害児の育児は本当に難しいです。ママが発達障害の勉強をすることもとても大切ですが、専門家やサービスの力を借りてできるだけ楽な育児の体制を整えることも重要です。ママ一人で育児をしているとどうしても視野が狭くなります。ママと子どもを支えてくれるサポーターを増やしてママの気持ちと時間にゆとりを作りましょう。

ママ一人の時間がとっても大事!

ママ一人の時間を作りましょう。自分時間を過ごすことは贅沢なことではありません。リラックスできる時間、自分に費やせる時間、その時間を有意義に使えると、ママが自分の人生を生きられている実感を持つことができます。

では実際にはどうすればいいのかを見ていきましょう。

1.家族の協力を得る
夫に相談してほしいです。自分の状況がいかに大変か。どれだけしんどいのか。物理的に夫に頼れないときは、心配事や不安、心の負担を夫にも半分持ってもらってください。伝えても真剣に取り合ってくれない時は第三者を交えて話し合いをしてください。第三者は男性の医師、大学の教授などの専門家がベストですが、そういった方たちは多忙でゆっくり話し合いをする機会を持てることが少ないので、言語聴覚士や作業療法士、心理士など専門性の高い男性と話をするのもありです。夫に出向いてもらえない場合は子どもの診断結果や分析結果の文書を用意してもらうといいでしょう。

2.子どもが保育所、幼稚園、学校に行っている間に働きに出る
子どもが学校に行っている間、働きに出ることをお勧めします。疲れ切ってそんな体力がないというのも本当にわかります。それなのになぜわざわざ働きに出るのか。それは、家にこもると視野が極端に狭くなるからです。自分の状況がいかに悲劇的かにいつも心が奪われ、未来への希望を失ってしまいます。外にいる人たちと少しでも交流を持ち、大人と会話をすることが大変重要です。自分の収入が家計外のものであれば子どものケアにお金を使える余裕も生まれます。

3.放課後等デイサービスを利用する
障害者手帳や通所受給者証が取れれば、放課後等デイサービスを使うのも一つの方法です。

4.家事代行を依頼する
家事の中で絶対母親ではないとだめという以外のところを第三者に頼ります。家に他人をいれるのがイヤという方がいらっしゃいますが、今はそんな状況じゃないと思います。イヤだからしないのでは何も前に進みません。今の状況を変えるには何らかの妥協も必要です。家事代行はお金がかかります。でも、ずっと家事代行を続けるということではありません。とにかく、"今"を乗り切ることだけを考えて投資するという考え方です。

5.お金がなくて八方ふさがり
1~4を提案しても、実際にはお金がなくて何もできないという場合もあると思います。こんな場合に必要なのがお母さんの体力(スタミナ)です。母親の体力が最後の砦です。がむしゃらに動く、働くということではありません。忍耐力とエネルギーを賢く使います。
具体的には最低でも3ヵ月に1度、専門家のカウンセリングを受けることをお勧めします。ママのメンタルのためでもありますし、子どもとの関係を構築するヒントがあれば状況が好転する可能性があります。また、公共の支援センター、病院を使うのもいいと思います。困りごとに特化した病院を選んで支援を受けられれば費用が安く済むのと、素晴らしい先生に出会えれば成人するまで伴走してもらえるチャンスができます。
お金も体力もない、働く余裕もないし子育てに限界を感じる場合はぜひ行政を頼ってください。子ども家庭センター等に相談してほしいと思います。

この暗闇から脱出するにはまずワンオペ育児を避けることと述べましたが、上記を試しても劇的に状況が変化するというわけではありません。それでも明るい兆しは少しずつ見えてきます。心から笑えるようになるには数年単位という長い年月がかかります。結果を出すことに焦らずゆっくり歩を進めていきましょう。

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木村知子
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木村知子(子育て&学習支援トレーナー)

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