子どもと親と先生のトライアングル支援の実現へ!
まちるどでは勉強が苦手な子どもの学習支援、育てにくい子どもの育児支援を行っています。
日々、保護者の方から様々なお悩みが寄せられていますが、その中でも多いのが、
「(子どもに)勉強できるようになってほしい」というもの。
それは進学校に入ってほしいという高みを目指すものではなく、
「平均程度の成績で、みんなと一緒に、授業についていけるように」
という贅沢ではない切実な思いです。
そこでまず今日は、勉強のためにできること!をお伝えする前に、なぜ勉強ができないのか?勉強が苦手になる理由からお話ししていきたいと思います。
勉強の苦手さを引き起こす原因はいろいろあります。
発達障害、グレーゾーン(境界知能)、でこぼこ発達、環境要因など、一概に勉強ができないと言ってもその裏にあるもの、要素は違い、まずは勉強ができない理由を正確に知ることがとても大切です。
①発達障害
発達障害には自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥多動症(ADHD)、学習障害(LD)などがあります。生まれつき脳の働き方に違いがあり、その特性ゆえに行動や情緒において困難を抱えることがあります。また、勉強や学校生活においても、うまくいかなかったり辛い状況に置かれるなど、生きづらさを感じることがあります。
◆自閉スペクトラム症(ASD)
コミュニケーションにおいて、相手の気持ちを読み取るのが難しかったり、字義通り言葉を解釈し、相手の意図を理解できなかったりする。また、興味、関心が限定的で、強いこだわりがある、感覚の過敏さなどを持ち合わせていることもある。
勉強で困った!(例):
・自分独自の計算方法や字の書き方にこだわりがあり、指摘されても修正できない。
・想像力が乏しく、自分のやり方が間違っていても別の方法に切り替えられない。
・文章問題の意味がわからない。
◆注意欠陥多動症(ADHD)
落ち着きがない、整理、整頓が苦手、集中が続かないなどいった特性がある。
学校で困った!(例):
・集中力が散漫になり、先生の説明や指導を聞き逃してしまう。
・忘れ物や、物を失くすことが多い。
・待つのが苦手、または衝動で動いてしまう。集団生活が難しい。
◆学習障害
知的の遅れがないのにも関わらず、「読む」「書く」「計算」において著しい困難を示す。
そのため、普段の生活では気づかれにくく、本人の努力不足などと思われることがある。
※学習障害という言葉が、勉強に支障があるというような響きにとらえられがちですが、
勉強ができない=学習障害ということではありません。
勉強の困った!(例):
・本読みが非常にたどたどしく、読み間違いも多い。
・漢字の書き間違いや字のバランスが悪い。
・ひっ算ができない。
②グレーゾーン(境界知能)
知能指数(IQ)は平均値が100となっており、IQ70未満で知的障害者と定義されています。ひと昔前まではIQが70~84までが境界線精神遅滞と定義されており、現在はグレーゾーン(境界知能)と認識されています。
グレーゾーンの子どもたちは定型発達児と同じ学級で授業を受けていることが多く、一斉授業についていくのに何らかの困難を抱えていると推測されます。人口の約14%程度いると考えられており、決して少ない人数ではありません。
現場で指導している感覚としては、実際にはIQ85~IQ90ぐらいまでの子どもたちもスムーズに勉強が進まない困り感があるように感じています。
勉強の困った!(例):
・具体例(物)がないと話がわかりづらい。
・言葉の理解、言い回しなどに困難を抱えるため、先生の説明や指示がわからないことがある。
・「一人で」学年相応の学習課題に取り組むのが難しい。
☆この最後の「一人で」というのがポイントで、横に誰かがついていればできるけれど一人では難しいという場合、実は学校の一斉授業が負担(しんどい、よくわからない)になっている可能性があります。「一人で」学習課題をこなせるかどうかが学校の授業についていけるかどうかの一つの目安になります。
③でこぼこ発達
目で見る力、耳で聞く力、記憶する力など、勉強をするときには様々な機能、能力を使っています。そこに苦手な要素があると勉強がより難しいものとなります。発達検査、心理検査、知能検査などで発達の状態や認知機能の特性(でこぼこ)を知ることができます。
尚、知能検査で知られるWISC-Ⅳでは発達障害の有無はわかりません。発達障害児にはでこぼこ発達がある場合が多いですが、でこぼこ発達があるからと言って必ずしも発達障害とは限りません。発達障害の有無を調べるには、医療機関で発達障害の検査(アセスメント)を受け、医師の診断を受ける必要があります。
勉強の困った!(例):
・誤字、脱字が多い。
・言い間違いをよくする、間違ったまま言葉を覚えている。
・本は読めるが、物語の意味が理解できない。
④家庭環境
衣食住が十分に確保されていない、親から虐待を受けていたり、ヤングケアラーで家で勉強できる環境が整えられていないなど、机に向かう習慣を作りづらい家庭では、学校の宿題がおろそかになったり、勉強に取り組む姿勢をもっていないことがあります。
愛着障害や適切な養育環境がないことで起こる二次障害などで問題行動が起こるケースもあります。
学校生活の困った!(例):
・集団行動の輪を乱す。
・朝起きられらず、登校状態が不安定になる。
・興味関心が薄い、または情緒が安定しない。
⑤未学習
不登校などで勉強が遅れ、学習内容が積みあがらず、勉強が苦手という形で現れることがあります。認知機能そのものには問題はないけれど、社会性の未発達で、知識、ソーシャルスキルなどに遅れが出ることもあります。
学校生活の困った!(例):
・知識や経験が飛び飛びで、できることとできないことの差が激しい。
・学習言語や学校での生活言語がわからず、先生の指示や友達との会話についていけない。
・人間関係がうまく作れず、人が怖いと感じたり、人間不信に陥る。
勉強ができないと言っても理由は様々です。
①~⑤はあくまでも主なケースであり、他にも勉強が苦手になる要因はいろいろ考えられます。
まちるどではすべての生徒さまにおいて勉強ができない理由を明らかにしています。
発達障害かも…、学習障害かな?と不安に感じておられる方は、どうぞお気軽にまちるどまでご相談ください。きっと心も軽く、希望の光を見出していただけると思います。