30 海外調達 関税率の見方と注意点
輸入品を国内で販売するとき1ドルいくらで計算するか、とても悩ましい問題です。
円安は困りますが、特に困るのは「急激な」変動です。
弊社はコストダウンに貢献すべく部品を輸入しているので、いつも為替を気にしています。
少しでも安く賢く買い物するには買い手は売り手の手の内を知っておくといいかもしれません。
海外サイトの価格設定
早速「売り手の手の内」を探っていくことにします。
相場は毎日変動するので、売り手は相場に合わせて販売価格を変更したいところです。
しかし毎日価格がコロコロ変わると買い手は混乱して逆に面倒です。
そこで買い手がいつも同じ価格で注文できるように売り手が値付けします。
具体的な数字があったほうが分かりやすいので、お馴染みの「Digi-Key」や「Mouser」にご登場いただきます。
それでは以下の作業をお願いします。
1)適当に部品を3つほど用意してください。(A、B、Cとします)
2)どちらかのサイトに品名を入力して、100~500個の日本円の単価を書き出します。
3)これをA、B、Cについて調べてください。
4)次に通貨を「USD」に切り替えて同じ作業を繰り返します。
実勢レートと変換レート
これで準備完了です。
では結果を見ましょう。
(円表示の単価)÷(USD表示の単価)
この割り算の結果を「変換レート」と呼ぶことにします。
ついでに今日の「為替レート」を見ておきましょうか。
売り手の手の内
計算結果は、こんな事実を明かしてくれます。
・「為替レート」<「変換レート」が高いこと。
・ ほとんどのケースでA、B、Cの変換レートは違うこと。
・「(Mouser社のレート)<(Digi-Key社のレート)」の傾向が強いこと。
オンラインサイト、代理店の価格設定
売り手は、【為替損が出ないような変換レートを使って】値付けしています。
「実勢レート」と「変換レート」の差を大きいと思うか、その程度は仕方ないと割り切るか。
それでもこうやって輸入品は値付けされることを知っておくと損にはなりません。
次回は、これを踏まえて支払方法と実際に支払う金額について考察します。



