海外調達で起こること 9 < 申告漏れ:開発費 ① >
業界用語で、INCOTERMS(インコタームズ)といいます。
貿易で一番難解な部分です。
売り手から買い手までの経路(=業務)をどこで区切るか?という考え方の用語です。
言い換えると何か問題が発生した時にどちらがフォローするかを決めた業務境界線とも言えます。
ここでは次のような関係性で用語を捉えてください。
「業務境界(分担)」 = 「保証範囲」、「責任範囲」
「業務分担」 ⇒ 「作業に対する金銭(費用)」
繰り返しますが、
・出荷された直後から運送費は全て買い手負担で、
・売り手は買い手の指示に従って業務を受け持ちますが、その費用は見積りに含みます。
①保険料(Insurance)
保険を掛ける(掛けるよう指示する)のは買い手で、掛けなくても輸入できます。
実際に船舶、飛行機で移動する時間(日数)を一番の判断材料にすることが多いです。
私は、これまで保険を掛けたことがありません。
②運送費( Freight Charge)
●クーリエは荷物受取りから配達まで一社で完結するので、運送費は単純明快です。
各社はそのサイトに概算運賃を掲載しています。
●フォワダーは、売り手側(輸出国の業者)、運送便業者、国内配送業者を組み合わせて輸入業
務を完遂するので、全ての見積りが出揃うまで少々時間を要します。
料金比較(航空便)すると、
・一般サイズの貨物はクーリエに軍配が上がりますが、
・超重量物(120kg超)や長尺物などはフォワダーに分があるようです。
航空便と船便の使い分け
スピードを考慮せず費用だけの比較なら、総重量110kgを目安にしてください。
航空便 < 梱包重量110kg < 船便
次の4情報をクーリエのカスタマーサービスにメールすれば、かなり正確な見積りがきます。
請求項目には為替の影響を受けるものがあり、【見積り費用=支払う金額】ではありません。
・梱包サイズ
・重量
・個数
・発送地のZIP CODE(日本の郵便番号に相当する数字)
③輸入消費税(Duty&Tax)
※海外調達 <用語説明② 通関>も併せてお読みください。
輸入消費税は、INVOICE記載価格(=買い手の注文価格)で決まります。
国内では買い手が売り手に消費税を支払いますが、輸入では誰が支払っても構いません。
最速で通関させるため輸入消費税は、その場で運送業者が立替払いします。
日本向け輸出が多いオンラインストアは
「買い手はただ商品を受け取るだけ」というサービスを提供しています。
ストアが輸入消費税支払いまで代行すると、ユーザーは国内のストアと変わらぬ手軽さで購入
できます。
※商品見本(サンプル)の取り寄せ
売り手から色見本や現物見本を取り寄せすることがあります。
こういうときは、輸出文書(INVOICE)に「 No Commercial Value for Purpose Only 」
と書いてあり、輸入消費税は支払わずに済みます。
それでもINVOICE上は、商品価格を無理やり値付けします。
これは、価格¥0-は貿易ではありえない(☜ゴミの輸入)という考え方に依ります。