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< 用語説明④ 海外貿易条件 -A>

清水正樹

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テーマ:海外調達

業界用語で、INCOTERMS(インコタームズ)といいます。
貿易で一番難解な部分です。
売り手から買い手までの経路(=業務)をどこで区切るか?という考え方の用語です。
言い換えると何か問題が発生した時にどちらがフォローするかを決めた業務境界線とも言えます。

ここでは次のような関係性で用語を捉えてください。
 「業務境界(分担)」 = 「保証範囲」、「責任範囲」
   「業務分担」   ⇒ 「作業に対する金銭(費用)」

繰り返しますが、
  ・出荷された直後から運送費は全て買い手負担で、
  ・売り手は買い手の指示に従って業務を受け持ちますが、その費用は見積りに含みます。

①保険料(Insurance)

 保険を掛ける(掛けるよう指示する)のは買い手で、掛けなくても輸入できます。
 実際に船舶、飛行機で移動する時間(日数)を一番の判断材料にすることが多いです。
 私は、これまで保険を掛けたことがありません。

②運送費( Freight Charge)

 ●クーリエは荷物受取りから配達まで一社で完結するので、運送費は単純明快です。
  各社はそのサイトに概算運賃を掲載しています。
 ●フォワダーは、売り手側(輸出国の業者)、運送便業者、国内配送業者を組み合わせて輸入業
  務を完遂するので、全ての見積りが出揃うまで少々時間を要します。

 料金比較(航空便)すると、
  ・一般サイズの貨物はクーリエに軍配が上がりますが、
  ・超重量物(120kg超)や長尺物などはフォワダーに分があるようです。

 航空便と船便の使い分け
  スピードを考慮せず費用だけの比較なら、総重量110kgを目安にしてください。
         航空便 < 梱包重量110kg < 船便
  次の4情報をクーリエのカスタマーサービスにメールすれば、かなり正確な見積りがきます。
  請求項目には為替の影響を受けるものがあり、【見積り費用=支払う金額】ではありません。
       ・梱包サイズ
       ・重量
       ・個数
       ・発送地のZIP CODE(日本の郵便番号に相当する数字)

③輸入消費税(Duty&Tax)

  ※海外調達 <用語説明② 通関>も併せてお読みください。
  輸入消費税は、INVOICE記載価格(=買い手の注文価格)で決まります。
  国内では買い手が売り手に消費税を支払いますが、輸入では誰が支払っても構いません。
  最速で通関させるため輸入消費税は、その場で運送業者が立替払いします。

  日本向け輸出が多いオンラインストアは
   「買い手はただ商品を受け取るだけ」というサービスを提供しています。
  ストアが輸入消費税支払いまで代行すると、ユーザーは国内のストアと変わらぬ手軽さで購入
  できます。

  ※商品見本(サンプル)の取り寄せ

   売り手から色見本や現物見本を取り寄せすることがあります。
   こういうときは、輸出文書(INVOICE)に「 No Commercial Value for Purpose Only 」
   と書いてあり、輸入消費税は支払わずに済みます。
   それでもINVOICE上は、商品価格を無理やり値付けします。
   これは、価格¥0-は貿易ではありえない(☜ゴミの輸入)という考え方に依ります。

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清水正樹
専門家

清水正樹(調達・購買のコンサルティング)

株式会社ロアゾー・ブラウ

モノづくり企業向けに戦略的な調達・購買をサポートします。生産管理、品質管理、間接部門の業務効率化に精通。それぞれの現場で最適な進め方を提案し、キャッシュフローの改善につなげます。

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