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< 用語説明⑥ 海外貿易条件 -A>

清水正樹

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テーマ:海外調達

業界用語で、INCOTERMS(インコタームズ)といいます。
貿易で一番難解な部分です。
売り手から買い手までの経路(=業務)をどこで区切るか?という考え方の用語です。
言い換えると何か問題が発生した時にどちらがフォローするかを決めた業務境界線とも言えます。

ここでは次のような関係性で用語を捉えてください。
 「業務境界(分担)」 = 「保証範囲」、「責任範囲」
   「業務分担」   ⇒ 「作業に対する金銭(費用)」

繰り返しますが、
  ・出荷された直後から運送費は全て買い手負担で、
  ・売り手は買い手の指示に従って業務を受け持ちますが、その費用は見積りに含みます。

①保険料(Insurance)

 保険を掛ける(掛けるよう指示する)のは買い手で、掛けなくても輸入できます。
 実際に船舶、飛行機で移動する時間(日数)を一番の判断材料にすることが多いです。
 私は、これまで保険を掛けたことがありません。

②運送費( Freight Charge)

 ●クーリエは荷物受取りから配達まで一社で完結するので、運送費は単純明快です。
  各社はそのサイトに概算運賃を掲載しています。
 ●フォワダーは、売り手側(輸出国の業者)、運送便業者、国内配送業者を組み合わせて輸入業
  務を完遂するので、全ての見積りが出揃うまで少々時間を要します。

 料金比較(航空便)すると、
  ・一般サイズの貨物はクーリエに軍配が上がりますが、
  ・超重量物(120kg超)や長尺物などはフォワダーに分があるようです。

 航空便と船便の使い分け
  スピードを考慮せず費用だけの比較なら、総重量110kgを目安にしてください。
         航空便 < 梱包重量110kg < 船便
  次の4情報をクーリエのカスタマーサービスにメールすれば、かなり正確な見積りがきます。
  請求項目には為替の影響を受けるものがあり、【見積り費用=支払う金額】ではありません。
       ・梱包サイズ
       ・重量
       ・個数
       ・発送地のZIP CODE(日本の郵便番号に相当する数字)

③輸入消費税(Duty&Tax)

  ※海外調達 <用語説明② 通関>も併せてお読みください。
  輸入消費税は、INVOICE記載価格(=買い手の注文価格)で決まります。
  国内では買い手が売り手に消費税を支払いますが、輸入では誰が支払っても構いません。
  最速で通関させるため輸入消費税は、その場で運送業者が立替払いします。

  日本向け輸出が多いオンラインストアは
   「買い手はただ商品を受け取るだけ」というサービスを提供しています。
  ストアが輸入消費税支払いまで代行すると、ユーザーは国内のストアと変わらぬ手軽さで購入
  できます。

  ※商品見本(サンプル)の取り寄せ

   売り手から色見本や現物見本を取り寄せすることがあります。
   こういうときは、輸出文書(INVOICE)に「 No Commercial Value for Purpose Only 」
   と書いてあり、輸入消費税は支払わずに済みます。
   それでもINVOICE上は、商品価格を無理やり値付けします。
   これは、価格¥0-は貿易ではありえない(☜ゴミの輸入)という考え方に依ります。

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清水正樹
専門家

清水正樹(調達・購買のコンサルティング)

株式会社ロアゾー・ブラウ

アドバイス、実務サポートの両面で「結果出し」にこだわります。場合によっては調達先の選定、調達業務の請負にもお応えします。特に原価削減では実績ある海外仕入れの紹介だけでなく輸入業務も代行します。

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