★抜毛症改善プロセス事例89:12歳女性:11歳から抜毛症になり、母が口うるさくしている自覚はあるが、なかなかやめられず・・・
『メーカーが良い事(メリット)しか
消費者に伝えていないので』
真実を少し。
(私見を含む)
カラー剤に関しましては
大きく二つ
薬事法として
▲医薬部外品
▲化粧品
分類として
○永久染毛剤
○半永久染毛料
○一時染毛料
他脱色・脱染剤
商品の形状として
■クリームタイプ
■ジェルタイプ
■ムースタイプ
と大きく分けると三種に大別できます。
この中で先ず泡カラー
一体なぜ?繰り返すとどんどん傷んでくるのか?
なぜさまざまな髪のトラブルが起きてくるのか?
なぜ?色落ちが速いのか?
美容室のカラー剤に比較して
基本のカラー剤のアルカリ濃度や
過酸化水素濃度は同じで
中でも過酸化水素濃度は日本では
6%以上の配合は禁止されています。
海外では10%や12%なんてのもありますが、
外国人の髪の表面の『毛表皮』キューティクル
層の厚みや構造が熱や薬剤に日本人よりも少し強い構造
をしている為海外では使用されています。
日本人に使ってしまうと、髪も頭皮も
火傷したり、カブレたりします。
では薬剤の濃度は基本的に同じとすると・・・じゃぁなぜ?
となりますが、決定的な事は
塗る技術の違い。そして、ひとりひとりに
合わせた薬剤濃度の調整が違うのです。
技術的な要素では
泡カラーは全体に泡を付けて染めていきますが
われわれプロは、二回目からは髪色を特に
変更する必要がある場合を除いて
『髪の根元の伸びた部分だけ塗り分ける』
という違いが基本的に大きな違いです。
泡カラーはそういった事が出来ないから痛むのです。
仮にアルカリカラー(お洒落染め)を使って6%の濃度で毎回毛先まで染めれば・・・
『美容室でやっても100%傷みます。』
このように塗り分けひとつにしてもですが、美容室なら根元だけに
施術可能ですので毛先まで毎回のように
塗るのとでは、雲泥のダメージ差がでます。
無論季節の変化、気分の変化、環境の変化に
対応するために止む終えず、毛先まで
施術する場合もありますが、美容室であれば
その時の髪のコンディションとカウンセリングにより
出きるだけ髪にかかる負担を軽減できる手段を講じます。
また美容室で毛先まで染める場合は、
髪への負担軽減にこだわっている美容室のプロであれば、
新しく生えてくる根元の部分と
既に染めている部分とでは、微妙に薬剤の調合濃度を
変えて、当然既に染まっている部分を『既染毛』と呼びますが、
この部分に関しては薬剤濃度を下げて染める事により
負担軽減を行います。
それだけではありません。
染料の問題があります。
カラーに使用されている染料は
通常過酸化水素と混ぜる事により
酸化発色する『酸化染料』と
元々から色の付いた色素を
髪に浸透及び付着させる『直接染料』が
あります。もちろん他にも
色々あります。
泡カラーにおいては、その中にたくさん含まれる
『直接染料とコーティング剤の関係』がクセモノで
パーマやカラリングの作用を阻害してしまいます。
それはなぜなのか?
色持ちの点で劣る直接染料ですから、
なるべくもちを良くする為に
この染料をシリコン等のコーティング皮膜を用いて
毛髪内外の色素の残存期間を高めようとする
傾向があるのです。
簡単に言うと髪から漏れ出てこないように
表面からはがれ無いように、ふたをして
閉じ込めてしまうのです。
閉じ込めてはいけない物質も一緒に・・・
閉じ込めてしまいます。
これも髪が痛む大きな要因ですが、
ここでは複雑になるので割愛いたします。
泡カラーの染まるメカニズムは
髪の中では過酸化水素の
酸素を使って髪の色素である
メラニンを分解漂白し
染料が酸化重縮合して吸着する
のと同時に元々色の付いている
色素を染み込ませたり
イオンの力を使って吸着
させます。
美容室で行う通常のカラー剤は
直接染料は微量(又は無し)しか使用せず
(メーカーやその目的にもよります。)
酸化染料主体で染める為、
技術がないと染まりが
ムラになりやすく
頭皮の温度や体調、環境に
左右されやいので、微妙な熟練と
計算が必要とされます。
その代わり持ちは良いのです。
がしかし、泡カラーにおいてはこの
ムラを解消する処方にしていますので
美容室と違い酸化染料に加えて
直接染料にウェイトをおく事により
『表面上』はある程度綺麗に染まった
感じになりますが
染まりは浅いのですぐに
退色(色あせ)してしまいます。
だからまたすぐ染めたくなります。
この繰り返しです。
プラス染料を髪に長くとどめておくために
コーティング剤がガッツリ
張り付く事になります。
このような背景から結論を
申しますと泡カラーを続けると
『髪のダメージ+コーティング』
により髪はヘアーデザインや
カラーを楽しむ余裕がなくなってしまいます。
『髪は加減法では解決できない』のです。
常にマイナス要素によって支配されています。
コンディションがプラスに成る事は殆どないのです。
家でトリートメントしても一時的に表面につくだけで
治っているわけでは無いのです。物によっては
逆にやればやるほどマイナスになってしまうと言って過言では
ありません。
泡カラーで起こりうる美容室でのトラブル===
かなり傷んだ状態でサロンにこられた場合
パーマやカラリングをしても
希望のウェーブや
希望の染まり具合にならない為
『美容師さんの失敗』と
とられる事になりかねません。
当然事前のカウンセリングで
その事を美容師側も察知しなけば
ならないのですが、経験値と
技量が大きくかかわってきますので
キャリアと知識が浅いと
100%見抜く事は難しいかもしれませんね。
いや・・むしろかなりの確率で見抜けません。
そのために『希望通りならない!!』と
お客様にとってもがっかりする事になります。
当然施術する美容師側も一生懸命しての
結果ですのでもっとがっかりしてしまいます。
この様に大変なトラブルを招く事にも成りかねますので
泡カラーご使用の方は気を付けた方が良いと思います。
最近ではCMも減り、以前の様にクリームタイプカラーの
CMが増えてきていますね。これも実は泡カラーが
招いた数々のトラブルが原因の現象と言えるでしょう。
他ジェルタイプやさ様々なクリームタイプも
泡カラーに比べればましですが、
やはり色ムラをリカバーするために
表面的な浅い色でごまかす直接染料が
多くの場合採用されていますので、極力
根元部分のみの応急処置に留め
決して毎回毛先まで繰り返しで
染めてはなりません。
泡カラーと同じ結果を招きます。
またご使用されている方が
ご自分で染めたその色が気に入らなくて
美容室で染めようと思っても、
セルフカラーの染料の入り具合によっては
発色にムラがでますのでご注意くださいね。
ちなみにこれも
『美容師さんのせい!』と
言われかねませんが、カラー剤の色素による
原因ですのである程度の妥協できる線で
よ~~く話し合って決めてくださいね。
今回は泡カラーを中心にコラムに掲載いたしましたが、
ヘアカラー全般に関しても同じような事が言えます。