大企業リタイヤ組にご用心!

辻村豊

辻村豊

テーマ:研究開発のヒント

皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。

今回の話題ですが、あくまでも『そのような傾向がある』というだけで、『全てがそうである』、『絶対こうである』というわけではありません。予め申し上げておきます。

コーディネーターといふ人々

いつごろからでしょうか?展示会とかに行って大学のブースに立ち寄るとコーディネーターと呼ばれる人々が存在するようになりました。最初は正体不明でしたが、遭遇する回数を重ねるごとに状況がわかって来ました。
そのコーディネーターの大半は大企業をリタイヤした人たちです。
ただ、この方々、曲者揃いです。まず、その大学のことをほとんど知りません。
研究例が掲示されていても、『私は知らない』と平然と喋ります。
また、新興の大学などの場合、自分の卒業した大学に比べて随分劣っているとでも言いたいのか?研究内容や教員を猛然と批判する方々までおられます。
このような大企業をリタイヤしたコーディネーターと称する人々が、今や大学だけでなく、公的な研究所の窓口や金融機関の関連組織、お役所などに蔓延っています。
最近も、とある組織の専門家と称するメンバーの表を見ることがありましたが、数十人ほど、よくぞここまで揃えたと思えるほど、ほぼ全員が大企業リタイヤ組でした。

大企業さまさま

どうやら、この国では大企業信仰が根強く続いているようです。
確かに大企業はコンプライアンスなどが厳しいこともあり、いわゆる『常識?』が通用する方々が多いです。契約書などでも、理解不能なことが書かれているものは、かなりの小規模な会社か海外系のどちらか発が多いことからも良くわかります。
しかしながら、大企業出身者もいろいろです。もちろん、人格者で非常に尊敬できる方々も多々おられます。ただ、それは大企業出身だからではなく、元々そういう人です。
それと大企業にはどうしてもペーパー試験に強い人種が多いため、頭の回転の速さだけが取り柄の差し当たりの取り繕いや言い訳は大の得意となります。また有名大学出身者が多いことから、組織を作る側も妙な、と申しますか、間違ったシンパシーを感じることもその所以となっているようです。

できないことを、やろうとしている

さて、私のような零細企業の場合、公共の相談窓口へ行くと、必ずと言って良いほど、大企業をリタイヤした相談員(コーディネーター)を紹介されます。
ところが、この方々が全く役に立ちません。理由は簡単です。中小企業は元より、零細企業なんぞ経験したことが無い人に、零細企業の相談などできるはずもないのです。常に上から目線ですから、なおさらです。
特に要注意なのが、研究開発で入社したものの、途中で営業に回された組です。早い話が研究開発で役に立たなかっただけです。そういった方々は決まって『技術面だけでもなく、営業もできる!』などと豪語しますが、所詮何をやってもできない方々です。そんな方々に限ってやたらコーディネーターになりたがるようです。
そんな相談窓口も、地方都市に行けば、大企業リタイヤ組も多少は減るようで、まだ現実的な話をしてくれる場合もありますが、大都市ではほぼ絶望的です。

結局は暇つぶし

最近会った、コーディネーターが言っていました。結局は『単なる暇つぶし』だそうです。もっとも、ギャラもかなり安いみたいです。
とすれば、なぜ大企業リタイヤ組ばかりがコーディネーターやっているか?の理由もわかって来ます。大したギャラをもらわなくても、潤沢な年金がある大企業出身者でないと、コーディネーターなんぞはできない、ということです。知識や経験などはどうでも良く、やっている感、やった感があれば良いということのようです。
自治体など、組織を作る方は何を考えているのか?わかりませんが、あまり役に立たない大企業リタイヤ組をひたすら揃えるより、一人当たりのギャラを上げて、本当に役立つ人材を活用することが、この国を豊にして行くのではないか?と思いますが…

愚の骨頂では?

これも最近、とある公共の中小企業支援?の施設へ行ったところ、そこの施設が企画・推進している事業のチラシが目に入りました。
『ビジネスチャンス倍増プロジェクト 大手企業の技術系OBが仲人役となって技術の提携先・販路をご紹介します』
相変わらずお役所というところは、何もわかっていないのでしょうか?こういうのを『愚の骨頂』と言うのかもしれません。
もっとも、ここで話は終わりではありません。そこにいた施設の職員に『大企業崩れに中小企業対応なんぞ到底できないよ。』などといろいろ話しかけたところ、『そうなんですか!?言われればそうですね!全く考えが及んでおりませんでした。大変貴重なご意見をありがとうございます!』という反応でした。何事も思い立ったら、その場で直ぐに『直接話してみる』、『直接聞いてみる』ものです。
(何でも聞いてみるもんや!)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5158617/

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辻村豊
専門家

辻村豊(技術コンサルタント)

合同会社 播羊化学研究所

原料や素材の研究開発、製造工程、PRなどに関する企業様のお困りごとを丁寧にサポート致します。専用の実験室で実証実験や試作も可能、少量からOKです。更に技術系社員の育成、技術承継のご相談なども承ります。

辻村豊プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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