日報のすゝめ
ローカルな本屋さんでも…
本日、ローカルな本屋さんに行ったのですが、そこにも『英検・TOIEC』コーナーがあり、棚に対策本などが多数ギッシリ詰まっていました。
相変わらず英語教育ビジネス花盛りです。
ただ、ここまで本の種類も多いと、どれを選んでよいのか?全くわからなくなります。更には、今では本以外にも学習手段がたくさんあるので、尚更です。
以前、このコラム欄で、『英語ひとすじの道、東後勝明著、日本放送出版協会』という書籍に言及したことがありました。1985年ですから、もう40年程前に発行された本です。
(英語という魔法)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5145824/
そこから引用します。
『世は正に宣伝時代、〇〇の対策だとか、実践の〇〇、試験に出る〇〇など、みんなの心を引きつけ、かきたてるようなタイトルの参考書や、XX大学専門XX予備校、XX入学者のための特別講座など、学校もあらゆる手段で受験生を引きつけます。
私は決してこういう参考書や学校が悪いとは言いません。ただ、自分の力に相応していなければ、幼児が体力をつけるのだと言ってビフテキやうなぎにかぶりついているようなもので、害こそあれ、益はどこにもありません。受験勉強に限らず勉強はすべて、まずは自分に何ができ、何ができないのかを冷静に見極め、それをつきとめることから始めるべきではないでしょうか。』
てなことで、既に40年前ですら、英語教育ビジネスは蔓延り、人々の不安に付け込んだ商売が横行していたようです。そして、それが今でも続いていると言って良いでしょう。
ただ、『まずは自分に何ができ、何ができないのかを冷静に見極め、それをつきとめることから始めるべきではないでしょうか。』と言われたところで、自分のレベルが皆目わからないという場合がほとんどだと思いますので、これまたどうして良いか?困ってしまいます。
そう言えば、あんな本があったような…
そんなことを考えていると、とある本を持っていたことを思い出しました。
1997年に発行された、『間違いだらけの英会話選び、主婦の友社』というう本です。発掘しました。
どういう本か?と言えば、前書きのところ、『もしかしたら、あなたの買おうとしているその教材はテープの英語がなまっていたり、変に古臭い文体が並んでいたり、とんでもないスラングが飛びかっていたりするかもしれない。ところが、買う前にカセットやCDを試聴することはできないし、そもそも「英語がダメ」なんだから、これから買う教材の英語について判断できるはずもない。
そこで、この本は、在日経験が長く、日本語にも堪能で、英語教師としての実績もあるネイティブ・スピーカーを中心としたグループに、有名英会話教材100点の試聴とチェックを依頼した。』とあります。
私自身、やはり英語に対する不安から、弱みに付け込まれて、英語教育ビジネスに手を出そうとし、その前にこの対策本?を出した出版社の罠にまんまとかかってしまった、ということでしょうか?
結果一覧
100点満点から0点まで並んでいます。
抜き取り調査をしたところ、全部がもはや廃刊でした。
そこで、点数が高い領域と低い領域のみを詳しく見ることにしました。
当時はテープ中心だったので、例えばその後CDになることを機に、タイトルも変更されているかもしれない、と思ったので、たとい廃刊になっていても、著者で検索し、後継本があるか?否か?も見ました。
その結果、後継本らしきものは発見できませんでしたが、著者が同じものはいくつか見られました。
高評価だった場合
まずは評価の高かった結果を調べました。
著者が同じだった一例として、
・英会話の音法50
https://www.japec.jp/hp/62.html
電子書籍化されたものでも良ければ、
・聞ける英語 話せる英語
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-9973587227
・あいさつの英会話
http://www.goma-books.com/archives/27112
がありました。
評価が高かった著者が書いているので、その後に出した本も大丈夫である可能性は高いと言えます。
ただ、上記はかなり無理をして見つけた結果です。
なぜ廃刊になるか?
売れなくなったからでしょう。たとい内容が良くても売れない、私も含めて、内容を全く判断できない購入者が多々いるからでしょう。
酷評されていた場合
一方で、『間違いだらけの英会話選び』で点数の低い領域に行くと、かなりの酷評が並んでいました。『買うのはやめよう。お金の浪費』『なぜ英語を勉強する日本人が苦しむのかを、この教材は教えてくれる。』など散々でした。
さすがに、いずれの本も廃刊となっていましたが、何とこのような酷評を浴びた著者に限って、その後も手を変え品を変え多くの著作があり、現行本もあるようです。
内容はずさんでもタイトルや表紙の図柄等で購入者は判断してしまうのでしょうか?
ついついキャッチフレーズに騙されてしまうのでは?と思わざるを得ません。
何も知らないことは有難い?
その一方で、研究開発でも似たようなことを思い出しました。
エラ~い教授サマも公的研究機関の方々も人間です。
相手が何も知らないことを良いことに、飛んでもないことをしでかす方もおられます。
時には巨額なお金が動くこともあるようです。
下記はその一例です。
40年近く続く本もある
話は戻ります。
評価は80点ではあったが、注目すべき本がありました。
・クラーク米会話シリーズ 1 基本会話 研究社出版
という本です。既に廃刊にはなっていますが、1997年当時で『今日でも通用する26年前の教材』と書かれています。
そして、注目すべきはW.L.Clarkさんという著者です。
その人が書いた、初版が1985年に発刊された、『アメリカ口語教本』というシリーズがあります。500万部突破のベストセラーで、現行品です。
https://books.kenkyusha.co.jp/book/978-4-327-44088-6.html
ピアノの教本バイエルというものがあり、いつしかバイエル否定論も出て来たものの、今でも良く使われ、ベストセラーであり続けているようです。
それと同じで、このアメリカ口語教本も書籍として一日の長があるのでは?と思います。
実は大学院生の時にこの本に接したことがありました。
とある教授様の奥様が英語堪能で、英会話教室をやるから来ないか?と誘われました。その時の教科書がこの『アメリカ口語教本』でした。
ところが、その英会話教室、私の英語のスキルアップのためではなく、別の目的だったことが判明しました。
それはまた改めて…