日報のすゝめ

辻村豊

辻村豊

テーマ:研究開発のヒント


皆様方お世話になっております。
播羊化学研究所の辻村でございます。
今回は日報について申し上げたいと思います。

日報との出会い

かつて勤務していた会社での出来事でした。
所属していた部署は私と上司の二人だけでした。
ある日、その上司から突然一冊のノートを渡され、「1ページ、上半分に今日したこと、下半分に明日することを書くように』と言われました。
いわゆる日報で、書き方も自由、ごくごく簡単な内容でOKでした。
これまで、日記のように、その日にあったことを書くことはありましたが、明日のこととなると、「明日は明日の風が吹く」状態でしたので、予め前の日に書いておくことは新鮮でした。
日報を書くようになってから、次の日の準備を意識してしっかりやるようになるなどの変化はありましたが、何より上司とのコミュニケーションがうまく取れるようになったことが大きいと感じました。もっとも、二人だけの部署なので、本来、否が応でも密な関係にならざるを得ない環境でしたが、それでも…でした。

次の会社でも日報

その後、別の会社へ移りました。行った先でも上司に日報のことを話したところ、やることになりました。ただ、ノートに手書きではなく、メールで行い、部署で共有するというものでした。これはこれで良いアイデアだったと思います。
やり始めた当初は上司からの声掛けも増え、コミュニケーションのツールとして効果をもたらしました。
ところが、そう長くは続きませんでした。
何と上司は更に上への報告用に悪用しだしたのです。
部下の書いた日報をひたすら「コピー+貼り付け」してエクセルの表を部下毎に1か月分作り、それを自らの月報告の一部として提出するようになりました。結局そればかりを必死にやるようなり、声掛けもなくなり、もはや日報もやっつけ仕事の対象となり、コミュニケーションのツールとしての役割はすっかり消えていました。

上司もすべし

その後、別の部署にも移ったりしましたが、行った先でも「英語で週報告を書け」とかありましたが、皆やっつけ仕事をこなすだけで、ほぼ意味なしでした。
その中で、「どこへ行っても共通する現象がある」ことに気が付きました。
それは何か?と申しますと、「上司は一切やらない、部下にさせるだけ」ということでした。面白いほど、誰一人、自らやろうとする管理職はいませんでした。
もちろん、平社員と管理職では役割が違うでしょう。
しかしながら、敢えてそこの壁を取り払い、上司も日報を書いて部下と共有すればどうなりますでしょうか?見てみたいものです。

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辻村豊
専門家

辻村豊(技術コンサルタント)

合同会社 播羊化学研究所

材料や素材の研究開発、製造工程、特許に関する企業の困りごとを丁寧にサポート。専用の実験室で実証実験や試作も行っており、少量からでも対応が可能です。技術系社員の育成、技術承継も相談に応じます。

辻村豊プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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