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大規模修繕工事が決まっているのに積立金が足りないのでどうしたらいいのか(相談事例)

宇野和博

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テーマ:マンション管理

 マンション管理士として相談業務大事な業務の一つですが、最近特に多いのが「大規模修繕工事が決定しているがお金がたりないのでどうしたらいいのか?」という相談です。
でもこの相談内容には、フロントを長年経験した私には少し違和感があり疑問がありました。

<疑問点>
 1 積立金が足りないのに工事を実施する必要があるのか?
   そもそも論ですが、積立金が足りない場合は劣化が著しく工事をしなければならない場合
   以外はすべきではないです。すべに計画が破綻しています。仮に今回工事したとしても、
   今後積立金が不足して積立金の大幅な増額が予想されます。

 2 2~3年前から検討していく段階で積立金が足りないことが分からなかったのか?
   通常は、修繕委員会を立ち上げて、工事の実施時期、工事内容、資金計画、施工業者選定
   等協議をしていきます。ですから、途中で積立金が足りないことに気づくはずです。

   では積立金が足りない場合はどうするのか。答えは二つです。
 
   1つ目は、工事の実施時期をずらすです。
   2つ目は、工事の内容を精査して足場がないとできない工事を優先します。つまり、足場が
        なくてもできる工事は延期します。

  なお、どうしても工事を実施しなければならなくお金が足りない場合は、最終手段として借
  入れという選択肢もあります。

3 管理会社が積立金が父祖臆していることに関して何かアドバイスは無かったのか?
  一昔前でしたら必ず助言やアドバイスをしていたんですが、フロントの質が低下しているの
  かもしれません。由々しき事態です。

 最後に、
 大規模修繕は実施ありきではなく、きちんと資金計画も併せて協議していくべきです。
 最悪積立金が不足して借入れで対応したとしても、工事完了後最低次の大規模修繕工事まで
 の期間で、積立金が不足しないように長期修繕計画を見直すことが重要になります。

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宇野和博
専門家

宇野和博(マンション管理士)

宇野マンション管理士事務所

20年以上マンション管理会社のフロント業務で培った専門的知見をもとに、高経年マンションの建物の維持管理と住民組織である管理組合の運営という両面から支え、将来にわたり心安らぐ住環境を整える

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