高1 理科教科の選択について

丹治重久

丹治重久

テーマ:理科

①「化学」の選択について
多くの高校で「理系は化学を必須」としている件につきまして、私も正しい方向性だと思います。
将来どの学部を受験する場合においても、「化学」を選択してマイナスになることはありません。

②「物理・生物」のメリット・デメリット
ちまたでささやかれているような「生物は不利」ということは決してありません。
物理と生物を比較した場合、大雑把に次のようなイメージがあります。

物理:ハイリスク・ハイリターン
生物:ローリスク・ローリターン

<物理>
ハイリスク・ハイリターン

物理と数学は連動します。
数学が共通テストで9割を取れる生徒は、共テ物理も9割は安定して得点できる。2次試験物理も得点源として期待できる。
数学が共通テストで8割の生徒は共テ物理は上下する(5割~8割)。2次試験物理も北大であれば戦える。
数学が共通テストで7割の生徒は共テ物理は5~7割程度。2次試験物理は全く期待できない。他教科(英数)で勝負。
※物理は芋づる式の設問が多いため、一つのミスが大きな失点につながる傾向にあります。
一方で、数学がピカピカに仕上がれば物理は高得点が期待できます。

<生物>
ローリスク・ローリターン
覚えることが物理よりも圧倒的(物理の10倍)に多い。設問の文章量が長い。物理の様に芋づる式の問題形式ではないので、

ミスによる大量失点は無い。「地理・歴史・倫理政経」の様に、勉強した分だけ得点に反映されやすい反面、高得点を取るのが難しい。

⇒平均点が取れればOK。共テ7割、2次試験5割5分でOK。めちゃめちゃ得意でも、得点源としてのメリットにはならない。

・将来、数学がピカピカになるほど得意になれれば物理を選択した方がメリットはある。
・数学の実力が伸び悩む場合は生物を選択した方がメリットがある。理系でありながら「数学+物理」のダブル地獄に陥る。
・大多数の生徒は「数学がピカピカになる」という状況にはならないので、「物理・生物」どちらを選択しても大差はない。
・「生物が物理よりも好きだ!」と思える場合は「好きな教科を選択する」ことをお勧めします。その方が結果としてよい方向に導かれます。

③水産学部志望の場合
北大・東京海洋大・長崎大いずれも、共テは「物理・化学・生物・地学」から2科目選択、学科によりまれに「理科基礎」でも可。
「物理」を選択した場合と「生物」を選択した場合の優劣はありません。

④医学部・工学部志望の場合
「物理」を選択することをお勧めします。
ちなみに、北大医学部は2次試験での「物理」が必須です。
医学部生で高校時代に「生物」を選択していない生徒はなんと7割を超えます。

「生物・化学」での受験生は全体の1/4程度です。ほとんどが「物理・化学」の選択です。
噂によると、北大医が物理を必須とするのは「男子を優先して取りたい」との大学側の思惑があるといわれています。
世間一般的に、女子は物理はドロップアウトする割合が多く、生物を選択する生徒が多い傾向にあります。
高校時代に「生物」を勉強せずに医学部・獣医学部・薬学部・農学部等に進学するのはいかがなものか?との意見がありますが、
現状は「物理・化学」で受験する生徒の割合が圧倒的に多く、大学側も学部生に対しては「生物」を高校時代に勉強していないことを前提に
カリキュラムを組んでいます。TANJIでアルバイトをする医学部生たちも、
「生物」を高校時代に学んでこなかったといってデメリットを感じたことはないようです。

一方で、工学部(機械・電気・電子・情報・土木・建築)に進学する場合は高校時代に「物理」を学んでおかないと、
大学入学後の進級に苦労することになります(「生物・化学」で受験は可能です)。
理学部(生物系・化学系・分析系・農学系・薬学系)であれば「生物・化学」がピッタリです。

あとは皆さんの考えにお任せします!!

塾長 丹治重久

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丹治重久
専門家

丹治重久(学習塾講師)

有限会社東邦教育システム

札幌市豊平区の地域に根差した学習塾。安易にフランチャイズを展開せず、北海道では突出した高校・大学入試実績を誇ります。小学生から大学受験生まで、第二の家として安心して勉強に打ち込める環境を整えています。

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