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エクステリアとガーデンづくりのデザイン、設計、施工に一貫して対応

エクステリア・ガーデン工事のデザインと設計・施工のプロ

高坂英己

高坂英己 たかさかひでき
高坂英己 たかさかひでき

#chapter1

綿密な打ち合わせで、エントランスやテラスなど多彩な空間をプランニング

 「書店に行けばすてきなエクステリアの本が並んでいる一方で、関東に比べて土地が広い北海道ではフェンスで家の周りを囲うにしても余計に工賃がかかりますし、運賃もかかる分、資材も高い。同じようにやりたくてもできないわけです。フェンスがなくても、それに見合う形でご要望をかなえていくのが当方の役割です」

 そう語るのは、「末広緑化造園」代表の高坂英己さん。門扉やアプローチ、ウッドデッキ、カーポートといったエクステリア、芝・植栽などによるガーデンづくりを、設計から施工まで一貫して自社で手掛けています。

 「外構は家の顔とも言える場所であり、家づくりと同様に生涯に一度とも言える工事ですから、全ての工程において自分たちで責任を負うという気概で取り組んでいます」

 高坂さんのもとでは施主とじっくりと打ち合わせを重ね、時間をかけてプランニング。訪問者を迎え入れるエントランスや、家族がくつろぐプライベートスペース、内と外をなめらかにつなぐフロントテラスなど、多彩に空間を彩ります。
 照明を施すライトニングで、日が落ちてからの情景も細やかに演出。美観だけでなく、人や車の出入りといった動線にも配慮しています。

 「物事には長所と短所があります。庭に植える樹木一つ取っても、日当たりの良し悪しや、地域の気候風土に適しているかを検討しなければなりません。お手入れの手間も出てきますから、必要な情報をあますことなくお客さまにお伝えした上で、害虫や雑草の防除、剪定や冬囲い、芝生の管理などのアフターフォローで短所を補います」

#chapter2

施主のライフスタイルになじむよう、全体的な視点でグランドデザインを描く

 エクステリアやガーデンの設計において、高坂さんは全体的な視点で大枠を描くグランドデザインの重要性を説きます。

 「ファッションを例に取れば、装う目的や機能性も考慮して、自分らしくトータルコーディネートするようなものです。好みのテイストで、ライフスタイルにもなじむよう、家族構成やどんな価値観、趣味を持たれているのかなどを伺ってイメージを膨らませることもあります。大もとにあるのはお客さまの熱意。共同で作り上げたいという思いがあります」

 高坂さんは、あえて施主の固定観念を打ち破るような問いを発することもあるのだとか。
 「例えば、玄関へのアプローチはなぜ真っすぐじゃなければいけないんでしょうか。こしらえる人は直線の方が楽ですが、人間って意外とファジー、曖昧な生き物なので、目をつぶると必ず曲線で歩くんですよ」とその一例を挙げます。

 四角四面ではない柔軟な発想の源は、学生時代に学んだ行動心理学。アイデアも含め、施主の理想を実現するために幅広い工種に対応するのは、土木と造園を中心とするさまざまな公共工事の中で鍛えられた自社の職人たちです。

 「これからは、一人が複数の技能を持つ多能工の時代です。木材のことしか知らなければ、コンクリートやアスファルトの敷設、塗装、左官といった多様なニーズに応えることはできません。僕が設計に行動心理学を取り入れているのもそうですが、異なる技術や知識が融合するとランクが一つ上がるんです」

高坂英己 たかさかひでき

#chapter3

公共工事で培ったノウハウや個人住宅での実績をもとに後進の育成にも注力

 都内の大学を卒業後、大阪の電機メーカーで企画営業に携わっていた高坂さん。バブル経済全盛の入社2年目に、家業である「末広緑化造園」に呼び戻されました。しかし、来る日も来る日も公園や街路樹整備といった公共工事に明け暮れることになります。

 「明治以来、国策として開発が進められてきた土地柄ゆえです。主体的に案件を選べず、もどかしさがありました。会社員時代に販売ルートを開拓するセクションも担い、がんばれば売りたい相手に売れるということを経験したものですから、ギャップを感じましたね」

 業務内容に戸惑う中、生活臭のないとある新興住宅を目にしたことが転機に。「公共事業で培ってきたノウハウを生かし、庭や外構といった家周りに個性を持たせることなら、自分の力で仕事を創り出せる」とひらめきます。

 「個人住宅へとかじを切ることにしましたが、当時はバブル崩壊後。景気対策として公共事業への投資が盛んな時期でしたから、正直、同業者には笑われました。でも僕としては『こんな時代が続くわけはない』と、必然の選択でした」

 事業の方向性を転換して以来、数々の邸宅で実績を重ね、コンテストの受賞歴も多数。今後は、後進の育成や同業者との交流も積極的に進めたいと言います。

 「若い人に伝えているのは、自分でレールを敷いてください、ということ。自分の後ろにレールができる、つまり自分が業界の標準値になった瞬間、世界が一変します。一度歩いたらやめられない道を共に歩みませんか」と呼び掛けます。

(取材年月:2023年10月)

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高坂英己

エクステリア・ガーデン工事のデザインと設計・施工のプロ

高坂英己プロ

エクステリア・外構工事業、造園業

末広緑化造園株式会社

エクステリア・ガーデン工事のデザインから設計、施工までを一貫して自社で行う。さまざまな公共工事に対応する中で磨き上げた幅広い工種と発想力で、顧客の空間への思いを形にする。

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