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障害を持つ相続人がいる場合の相続手続き

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テーマ:相続手続

相続人の中に障害を持つ方(身体障害・精神障害など)が含まれている場合、判断能力や法律行為が制限されることがあります。

ここでは、障害のある相続人への対応方法と障害者控除を使った税務メリットについて説明していきます

障害を持つ相続人への配慮と留意点

重要な点として、障害を持っているからといって判断能力がないというわけではないことを理解しておく必要があります。

障害を持つ相続人の状態を確認

障害の種類やその程度によって、相続手続き上の対応が変わります。特に以下の3点に注意しましょう。

【1】本人の判断能力(意思能力)

遺産分割協議や契約行為を理解できるかどうかが重要です。理解力が十分であれば、通常の手続きに参加できます。

【2】代理人・後見人の必要性

判断能力が著しく低下していると判断される場合、成年後見人などを立てて代理権を持たせることが一般的です。

【3】税務上の障害者控除の可否

相続税申告時に、一定の要件を満たせば障害者控除が適用される可能性があります。控除の対象となるかどうか、医師の診断書などで障害を証明することが求められます。

身体障害者の場合

身体障害があっても、判断能力に問題がなければ後見制度は不要です。たとえば視覚・聴覚・肢体の障害であっても、本人が内容を理解できるならばそのまま協議に参加できます。

精神障害者・知的障害者の場合

精神的な疾病・知的障害などで判断能力が低下している場合、遺産分割協議に支障があるとみなされる可能性があります。そのような場合、医師の判断書や家庭裁判所の判断を根拠に、成年後見制度を利用することが多いです。

成年後見制度・任意後見制度を使うときのポイント

障害や認知症がある相続人がいる場合、以下の制度が対応手段として使われます。

成年後見制度の利用

家庭裁判所が選任する成年後見人は、被後見人(判断能力が不十分な相続人)に代わって財産管理や契約行為を行う権限を持ちます。これにより、遺産分割協議への代理参加が可能になります

ただし、後見申立てには時間がかかることもあるため、早めに準備が必要です。

任意後見制度の利用

将来判断能力が低下する可能性を見越し、元気なうちに信頼できる人を後見人として選任するしくみを、任意後見制度といいます。

任意後見契約に基づき、任意後見人は財産管理や契約代理権を行使できます。遺産分割協議への関与も、契約内に規定されていれば対応可能です

後見人を選任しない場合の問題

障害のある相続人がそのまま協議に参加した場合、その人の意思が認められず、遺産分割協議全体が無効になるリスクがあります。また、後見人選任には数か月程度かかることもありますので、遺産分割が滞る可能性が高まることも考えられます。

障害者控除を利用した相続税対策

障害者が相続人である場合、相続税申告の際に「障害者控除」が適用できる可能性があります。ただし、次の要件を満たすことが必要です。

控除対象の障害者の判定基準

  • 障害者手帳の等級(身体障害者手帳・精神障害者福祉保険手帳など)により「一般障害者」「特別障害者」に区別されていること
  • 相続開始時点で日本に居住していること
  • 相続または遺贈によって財産を受け取る相続人であること


控除額の計算

  • 一般障害者なら、満85歳に達するまで1年あたり10万円を控除
  • 特別障害者なら、1年あたり20万円を控除
  • 控除額が障害者個人の相続税額を超える場合、残額はその扶養義務者(親、子など)の相続税から控除できる場合がある

※過去の相続においてすでに障害者控除を受けている場合は控除額に制限を受ける場合がある

まとめ

相続人の中に認知症や障害を抱える方が含まれる場合、「遺産分割協議をどう進めれば成立するのか」「正しく相続税を申告・納付するにはどうしたらよいか」といった問題で悩むことが少なくありません。

当行政書士法人では、相続案件に豊富な実績を持つ行政書士が窓口となり、必要に応じて税理士や司法書士(遺産に不動産が含まれる場合など)と連携し、ワンストップでサポートを行っています。

認知症や障害など判断能力に関わる課題を抱える相続についてお困りの方は、ぜひ無料相談をご利用ください。

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千田大輔
専門家

千田大輔(行政書士)

行政書士法人ドラゴンオフィス

相続・遺言に特化した行政書士として、関連する専門家と連携しながらトータルサポート。札幌近郊で3000件以上の業務実績があり複雑な事例にも精通。身元保証サービスも人気。2024年は新宿にも支店を展開。

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