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相続対策に効果的?「生命保険の一時払い」活用ポイント

千田大輔

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テーマ:生命保険を活用した相続対策

相続対策として生命保険を利用する方法があります。特に財産を多く所有している人は、相続人の税負担を考慮した生前対策を行う傾向が強くみられます。ここでは、財産が多い人に関心が高い「保険金の一時払い」活用の注目ポイントについて説明していきます


生命保険金の非課税額の計算

生命保険料は、1回で全額を支払うか分割払いにするか選べることが一般的です。このうち「1回で保険料全額を支払う」方法を一時払いといい、節税対策に有効だとされています。

被相続人が亡くなったとき相続人が受け取る生命保険金は、計算式で求められる金額までは非課税とされています。相続人の人数によって算出される数値は異なりますが、計算式は以下の通りです。

計算式:【500万円×法定相続人の数】


たとえば、法定相続人が配偶者と子2人だった場合、【500万円×3人】で計算するので、1,500万円までの生命保険金が非課税とみなされます。したがって、相続財産の合計から1,500万円を差し引いた額が相続税の課税対象額と考えることができます。

ただし、法改正や制度の見直しなどは随時行われるものですので、必ず専門家に相談し、その時点でも一時払いが有効な節税対策になり得るか確認することが大切です。

保険料の一時払いの活用ポイント

相続対策として生命保険料の一時払いを選択すべきだといわれる理由を挙げてみましょう。

生命保険金の非課税枠を利用できる

前述の【500万円×相続人の人数】分非課税枠がこれに当たります。財産を現金などで持っておくより、保険料の一時払いに使った方が課税対象額を減らすことができる、という意味合いになります。

相続税の資金準備に役立つ

相続税は「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」に納めなければなりません。いざ相続が起こってみると、10ヶ月という期間は長いようで短く、その間に行わなければいけない諸手続も多いため、結果として「短期間で納付額を準備する必要がある」という状況になります。

被相続人の相続財産が十分にあれば問題ないように思えますが、国税庁が公開するデータによれば、相続財産に占める現金・預貯金の割合よりも不動産の割合の方が多いことがわかっており、相続税を納める際に難儀するケースも散見されているのです。

「相続財産の金額の構成比は、土地38.0%(平成27年38.0%)、現金・預貯金等31.2%(平成27年30.7%)、有価証券14.4%(平成27年14.9%)の順となっています。」
※国税庁ホームページ「平成28年分の相続税の申告状況について」より抜粋


不動産を現金に換えるには大変な手間と時間を要しますし、10ヶ月という期限内に相続税相当分の現金を用意できるかもわかりません。このような事態を回避する方法としても、生命保険の一時払いは効果的だといわれているのです。

被相続人の死亡に伴い、保険金受取人が保険会社に請求することで生命保険金は支払われますので、受取人である相続人は相続税額に充当できる現金を手にすることができ、期限内の相続税納付に大変役立つと考えられます。

まとめ

十分な財産を持っている人ほど、相続開始後の諸手続や相続税の納税に向けた準備をしておく必要があるでしょう。一時払いは節税対策にも効果的だとされる方法ですので、専門家に相談しながら適切な保険の活用を検討するといいかもしれません。

財産状況や相続人の人数など諸条件によってメリットの大小は変わってくることが予想されます。また法改正や制度の見直しなどは随時行われていきますので、税理士と提携しながら相続全般についてご相談・ご依頼を承っている当事務所まで、まずは一度ご相談ください

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専門家

千田大輔(行政書士)

行政書士法人ドラゴンオフィス

相続・遺言に特化した行政書士として、関連する専門家とも連携し、手続きをワンストップサポート。札幌近郊で1000件以上の業務実績があり、複雑な事例にも精通しています。おひとりさま向け身元保証サービスも。

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