樹木の生育に悪影響をおよぼす防草シートと深植え。
施肥は主に樹木の樹勢が衰えてきた時や、新しく植える時の元肥そして花後や果実の収穫後のお礼肥として行われています。
肥料は樹木の成長に必要な栄養を補うためのものです。無機塩類(無機養分)は植物組織の構成要素であり、植物の成長に重要な役割を果たしています。
肥料を与える時にはその時の木の状態や目的に合った成分が配合されているものを選ぶことが大切です。
一般的に販売されている肥料には化成肥料と有機肥料があります。
化成肥料は窒素・リン酸・カリを原料に化学的処理をして粒状にしたものです。即効性のものと緩効性(ゆっくりきく)のものがあります。
有機肥料は植物(油かす等)や動物(鶏糞、骨粉等)の有機物を原料とし、土壌微生物の働きで分解・吸収される肥料です。化成肥料に比べて穏やかに効き、肥効が長く続き、土壌の保水性・通気性を向上させます。
油かすはなたねや大豆から油を搾った後の残りかすを原料としていて、窒素分が多く含まれています。
鶏糞は窒素・リン酸・カリがバランスよく含まれています。
骨粉は豚や鶏などの骨を加熱・粉砕したリン酸とカルシウムを豊富に含む有機肥料です。
肥料の袋には、通常『8-8-8』のように記載されています。これは順番に窒素(N)ーリン酸(P)ーカリウム(K)がそれぞれ8%ずつ含まれていることになります。この場合、合計が24%になりますが、N-P-Kの合計が30%未満のものを「普通化成」、30%以上を「高度化成」と呼びます。「高度化成」の方が肥料の濃度が高いことを意味しています。
以上肥料成分について述べてきましたが、その成分が樹木のどの部分に効くのかを把握をしていないと適切な施肥はできません。
そこで、樹木に必要な成分(元素)について簡単に説明します。
植物の生育に欠かせない元素を必須元素といいます。
そのなかには大気中からあるいは水として吸収される炭素(C)、水素(H)、酸素(O)や樹木の生育に不可欠で最も多く消費される窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)があります。
その他にも比較的要求量の多いカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)があります。
そして必要量がわずかなものに鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、塩素(Cl)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)があります。
その中で肥料として施与する必要があるのは、窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウムの5元素になります。
これらの5元素の役割は
①窒素(葉肥):茎や葉の成長を促進し、光合成を活発にします。不足すると葉が黄色くなり成長が止まります。
②リン酸(花肥・実肥え):花や実の付きを良くし、根の成長も助けます。細胞分裂に不可欠です。
③カリウム(根肥):根の成長を促進し、病気や寒さへの抵抗力を高めます。植物全体の健康を維持します。
④カルシウム(石灰):土壌の酸性を中和し、細胞を強固にします。
⑤マグネシウム(苦土):葉緑素の成分で、光合成を助けます。
これらの5元素はバランス良く与えることが重要で、特定の元素だけが多すぎると病気や成長不良の原因になります。
※苦土石灰:土壌の酸性度(pH)を中和し、カルシウム(石灰)とマグネシウム(苦土)を補給する安全な土壌改良材。
以上、肥料や必須元素について、説明してきましたが、即効性の化成肥料はあくまでも樹木を植え付ける時や樹勢が衰えてきた時など緊急性を要する時に行います。
お礼肥や寒肥は有機肥料がよいでしょう。
理想的なのは、腐葉土やバーク堆肥などを既存の土壌に混合する土壌改良をすることです。そうすると土壌動物や微生物による分解が活性化して窒素やリン酸やカリウムなどを取り入れることができます。
もっともっと理想的なのは自然に落ちた葉が自然に分解されて土に還る(かえる)ことです。できれば落ち葉をきれいに清掃せずにそのままにしておきたいところです。



